日々あんだら
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2008年08月12日(火) 屋久島日記〜ウミガメ編〜




実はまだもうちょっと続く屋久島日記。(笑)
今日の日記は、屋久島にいた1週間の中で、唯一残念だったこと。




この時期(7月末)の屋久島は、ウミガメの産卵の終わり頃で、孵化の初め頃らしい。
どちらも見るチャンスがあるギリギリのタイミング。
永田というところのいなか浜が最も産卵・孵化が多いことで有名なので、そこに行こうと思ってたんだけど、

「永田は見学ツアーに申し込まないと見れないですよ。しかも1日先着80人までなんです」
「え?そうなんですか?今から申し込んで間に合うかなー?」
「それならKの海水浴場の方がいいですよ。ツアー申し込まなくても自分で行って見れますし」
「そこでも見れます?」
「僕、昨日行って産卵を見ました」
と、島の人に聞いてじゃあ行ってみよう!ということに。


そのKという海水浴場へは宿から車で40分くらい。
晩御飯を食べてから7時過ぎくらいに宿を出て8時前にその浜に着いた。
前に永田のウミガメツアーに参加したことのあるutaちゃんから、
「光は禁止(子ガメは光を頼りに海に向かうので)」「絶対触っちゃいけない」と注意事項を聞いてたので、
それを思い出しながら、砂浜の手前の階段のところに座る。
砂浜には全く街灯が無くて、星がメッチャ綺麗!!
光を出すわけではないし、三脚とカメラもセットして星空撮影にチャレンジしてみる。(笑)


少し離れたところには観光客らしい人が何人か集まっている。
地元の人たちも数人いて、その人たちが仕切っているみたいだ。
その人たちが懐中電灯を振り回していたので、「すみません、懐中電灯やめてもらえませんか?」と言ったら
ムッとされたみたいで返事は返ってこなかった。



そのまま1時間ちょっと経った頃、その辺をウロウロしていた地元の人が戻って来た。
観光客の人たちを連れて向こうの方に移動する。
1ヶ所に固まって懐中電灯を照らしながらなにか騒いでいる。

ん?まさか?

と思って僕もそこまで行ってみた。
そしたら、孵化したばかりの子ガメが2〜3匹いて、それをみんなで取り囲んでいる。
思わず僕も3〜4枚写真を撮ってしまったんだけど、子供が掴んだ子ガメがバタバタもがいてるのを見て我に返った。
え?子亀って触ったりしていいの?

utaちゃんからの聞きかじりやけど、僕が聞いてたのと全然違う。
この人たちは普通に触って、懐中電灯で照らしている。フラッシュを焚いて写真を撮りまくっている。
「カメの甲羅って柔らかいんだねー」と子供が言っている。
子ガメはその手から逃れようと必死でもがいている。

地元の人にしてみたら、昔からこういう扱いをしていたのかもしれない。
それで今まで特に問題になってないのかもしれない。
でも、その扱いはなにか違うと思った。
地元の人たちにしてみたら、そこは「自分たちの浜」なんだろう。
でも、そこで孵化した子ガメは「自分たちのカメ」ではないと思う。

子供がカメに触れるのも、1つの貴重な経験かもしれない。
でも、カメの甲羅の手触りを知るよりも、そういう小さな命を大切にすることを覚える方が大切なんじゃないか。


勢いにつられて写真を撮ってしまったので僕はなにも言えなかった。
もしそこで何か言ったとしても「お前もさっき写真を撮ったじゃないか」と言われたら反論のしようもない。
なので、黙ってそこを立ち去った。写真は全部削除した。
荷物を置いてあるところまで地元の人が1人追いかけてきたけど、
片付けている僕の横に立ってじっと見ているだけでなにも話しかけて来なかった。
なので、僕もなにも言わずに彼の横をすり抜けて帰った。


立ち去る時に、子供と地元の人が話す声が聞こえてきた。
「こんなにちっちゃかったら海に入ったらすぐに食べられちゃいそうだね」
「海に入るまでも大変なんだよ。猫とかもいるからね」



猫より人間の方が怖い。


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