2025年03月13日(木) |
戦争は終わるのか? |
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トランプ大統領はウクライナとの間で停戦案をまとめ、ロシアにその判断を委ねた。どんな内容なのかはまだわからないが、戦局を有利に進めているロシアにとっては今戦争を中止するメリットはない。もっとも継戦による損害よりも、適当なところでやめて消耗を避けたいと思うのかも知れないし、停戦によってウクライナに立て直しのチャンスを与えてしまうと考えるなら停戦を拒否するだろうし、どうなるかは予想がつかない。
あの決裂した会談の時にゼレンスキーは「プーチンは約束を守らない!」と主張したわけだが、オレもそう思う.ロシアほど過去の歴史で約束を破ってきた国は他にない。ロシアの指導者には「信義」なんてものは存在しないのだろう。
NHK『映像の世紀』で独ソ戦が取り上げられていて、スターリングラードからベルリンへの2200キロの進軍、ロシア人にとって「ベルリンへ行く」という言葉の持つ特別な意味が暗示されていた。今ウクライナで戦ってるロシア兵士は、やがてポーランドからドイツに進軍するつもりでいるのだろうか、番組内で私がやりきれない気持ちになったのは、武装蜂起したワルシャワの市民がナチスと戦ってるときにすぐ近くまで来ていたソ連軍が全く支援せず見殺しにしたという事実に対してだった。ポーランドの抵抗組織はいずれソ連政府の敵となるからと見通していたのだろうか。
アメリカはウクライナを支援した。しかしアメリカから送られた武器はアメリカの兵器産業の売り上げとなり、巨額の利益をもたらしたわけである。「支援」は軍需産業に偏った歪んだ米国製造業界への支援でもあったのだ。
冷戦構造が終了して兵器産業の先行きが暗くなったとき、「テロとの戦い」という新たなテーマが必要とされた。9・11テロはその絶好の契機となり、軍備にゼニを使うことは正当化されたのである。ウクライナ戦争の真の勝者はアメリカであるとオレは思っている。ロシアは人もゼニも失って消耗したが、アメリカには莫大な利益がもたらされたのだから。
ウクライナ戦争自体は停戦の後に膠着ということになり、ロシアの占領地はそのままに戦争は終わるだろう。ウクライナは存続するだろうが、ロシアの傀儡政権にされるかも知れない。NATO加盟なんて夢のまた夢である。おそらくトランプは「ウクライナをNATO加盟させない」という密約をプーチンと交わしてそうであるし、何よりトランプとプーチンは同類である。自分の利益のためなら人がいくら死のうと平気なのである。
プーチンはノーベル平和賞を狙ってるという。ウクライナ戦争を終結させたという手柄で自分を推薦させたいわけである。オレは平和賞なんてイカサマの最たるものだと思っていた。キッシンジャーや佐藤栄作でももらえてしまうわけだからそんなものには価値がないと思ってきた。ところが昨年被団協が受賞した。それで少し風向きが変わったと思ったのだが、ここでトランプに上げると「やっぱりイカサマかよ」という結論になってしまうのである。
どんな理不尽な結果であっても、戦争が終わること自体は歓迎である。これ以上の殺戮が起きないようにすることが最重要課題だからだ。しかし世界は「領土拡張」のための戦争を受け入れてしまうわけで、絶対に次は中国による台湾侵攻であるとオレは思っている。トランプはもしかしたら習近平との間になんらかの密約を交わそうとしているような気がしてならない。トランプ、プーチン、習近平、金正恩、この4人がいなくなれば世界平和がやってくると思うオレは間違ってるだろうか?
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