2025年03月11日(火) |
震災から14年〜復興という名の破壊 |
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東日本大震災から14年がたった。津波によって破壊された福島第一原発からの燃料デブリの取り出しはいつになったら終わるのか見通しがつかない。日本のような地震国には原発は不適だというこの事実に国は目を背けて、新たに原発を新設しようとしている。日本の為政者は確実に破滅に向かって進んでいるのである。
津波で押し流された街はきれいに作り替えられ、区画整理された街には真四角なオフィスビルや工場。倉庫などが立ち並んでいる。基準を満たせば政府からの補助金が出るのでそれを目当てにしたものが建っているわけだが、人々は街には戻ってこない。避難地域が含まれるために人口が以前の一割くらいになった地方自治体をこれからどうすればいいのか。また大量の除染土をどうすればいいのか。問題は何一つ解決していないのである。高台に新たに造成された住宅地の中にはほとんど入居者が出ないままの更地がたくさんある。住民の意志を尊重せずに業者がどんどん開発してしまったからである。そこに大量の公金も投入された。投じられた巨額の復興資金はゴーストタウンに化けた。それが日本の復興の姿である。
もっとも東北は「ゼニを出してもらえた」だけまだマシかも知れない。万博工事を優先するという国の間違った方針のために見捨てられた能登半島では、地震から1年以上となるのにまだ水道の復旧していない場所もある。政治家の中にも「限界集落の放棄」を堂々と訴える方がいるくらいである。要するに「選択と集中」が大事という新自由主義的な発想から抜け出せないのだろう。「お前の住んでる村は見捨てるからこっちに移住してくれ」と言われて素直に応じる方がどれだけいるだろうか。万博みたいなどうでもいい事業のためにどれだけ無駄な公金が費やされるのか。
震災復興事業によってきれいに整備されたけど無人で無機質な町並みがTVで紹介される。しかしこうして復興してもまた数十年後には同じような規模の大地震が起きて津波が押し寄せるのである。そうしたらまた一から街を作り直すのだろうか。津波に強いような街を作ることは不可能なのだろうか。今日起きてもおかしくない南海トラフ地震の津波が押し寄せる地域の方は日々をどんな気持ちで過ごして居られるのだろうか。
オレは津波が怖い。だから津波が来る可能性のある地域では暮らせない。南海トラフ地震のような「確実に津波が来る」という予測が出ている場合、オレはもしも危険地域に住んでいれば必ず引っ越すだろう。先祖代々その土地で暮らす人たちにとっては引っ越しは現実的な選択肢ではないかも知れない。しかし自分の子孫が必ず被害を受けるとわかっていれば、子や孫のために適切な選択を取るような気がする。そうなると日本の太平洋沿岸のかなり広い地域が非居住地域となってしまうのである。そこに多くの方々がこれまで暮らしてきたということは、そのリスクを受け入れて暮らすことを人々が選んだからである。オレにはなかなか理解できないのである。
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