2025年01月15日(水) |
競馬で金儲けは出来るか? |
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UFJで顧客の貸し金庫から10億円以上盗み出した女性行員の犯罪の動機は、競馬やFX投資で負けたからだったという。700万円以上の借金を抱えて地裁で民事再生法を適用してもらって・・・というくだりで、オレは個人がそんなことできるのだろうかと驚いた。その金額程度は普通なら「債務整理」じゃないのか。それとも、民事再生なら一部は踏み倒すことができるということなのだろうか。「破産」ではない形で一度はこの方はリセットしたのである。
普通そういう失敗をしたら次は負けないようにと工夫するだろうし、競馬みたいな「レースごとに25%は確実に負ける」というギャンブルをしていれば負ける方が普通なのである。競馬で勝ち続けられる人はよほど熱心に研究しているか、あるいは強運の持ち主であり、普通は負ける。そんなものを「金儲けの道具」と思った時点でアホである。
それではFXはどうかということだが、為替は数年おきにとんでもない値幅の動きがあって、たとえば昨年8月5日の大暴落のように普通にスワップ狙いで高金利通貨の買いポジションを持っていた人たちがロスカットで壊滅することの繰り返しである。だから一時的に勝つことは可能だが、長年取引しているとどこかで全財産を吹き飛ばすことが起きるわけである。そうなると真にもうかる投資は株式投資一択ということになる。もっともその株式投資だって、優良株と思っていたら突然会社が増資を発表して株価が暴落したりするわけで、常にさまざまな陥穽が待ち受けているわけである。生き残って稼げている人はただ単に「運がいい」だけかも知れないのである。もしも東京に直下型地震が起きて都市機能が壊滅すれば、日経平均は1/3くらいのところまで売り込まれるかも知れない。投資家はそんなリスクを覚悟しながら投資しないといけないのである。
オレはとても臆病な投資家である。アメリカ株なんか怖くて買えないし、投資信託なんてどうせ顧客から手数料を巻き上げるだけの詐欺商品だと思っているし、特定の銘柄だけに大きな金額をぶち込むことなどとてもできないから分散投資している。優待品をチマチマもらいつつ、製糖関係の銘柄をコンプリートして「これで家で使うお砂糖はすべて優待で賄える」などと自己満足している程度のオッサンである。
UFJの幹部行員ならば、別に競馬なんかしなくても十分な収入はあっただろう。すでにある程度の高給を得ている人間が投資をする必要など全くないのである。そのゼニをいったい何に使いたかったのだろうか。ホストクラブにつぎ込むのか、あるいは海外旅行やブランド品を買うのか。そんなことをして空しくないのか。
オレはあまり積極的に儲けようとは思っていない。上場会社の株式をそこそこ所有しているが、その配当金でできることはせいぜい「プチ贅沢」であり、ロレックスを買ったりポルシェを買ったりするわけでもない。
競馬には一攫千金の可能性はあるが、そのほとんどが負けることを思えばオレは手出ししないし、投資も無理をしない。負けるのが怖いからである。銀行員という社会の仕組みをよく知ってるはずの職業なのになぜか負けるギャンブルやリスクのある投資にのめり込んでしまった結果、そしてたかがゼニを追い求めた結果として、銀行の看板を汚し、自己の人生を終わらせて(もちろんこれは比喩表現であり、刑期を終えて出所してからも人生は続くのだが)しまった馬鹿な女がいたことは事実である。それ以上でも以下でもないが、同じ銀行に勤める方達が事件に気付かなかったことは責められても仕方ないだろう。
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