2024年04月10日(水) |
350億円の火炎リング |
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先日、サッカーの練習試合の会場に落雷するという痛ましい事故が起きた。落雷の危険があるときは屋外での活動を自粛するのは常識である。しかし、避難できるような屋内施設があればいいのだが、大阪万博の場合は建設予定のパビリオンの収容人数は限られる。そうなると大勢の人の避難場所がないのである。
集成材のリングはよく燃える。一度火がつくと消えないだろう。あの環状リングがすべて燃えて巨大な火炎の輪になった時に何が起きるだろうか。それは地下から発生するメタンに引火することである。夢洲では数十本のパイプで地中から発生するメタンを抜いて空中放出しているのだが、そのパイプから引火すればあちこちに炎が吹き出すことなり、燃料のメタンは地中から次々と供給されるためにもう手が付けられないだろう。
夢洲全体が炎上した場合、もはや避難することは不可能である。助かりたかったら我先に海に飛び込んで救出を待つしかないし。海上から消火活動しようとしても海に多くの人が浮かんでる状態なら危険で船も近づけない。空中から空飛ぶ車で消火することなど現実には不可能だ。周辺に火炎の渦が起きるのでヘリやドローンは危険すぎて飛ばせないのである。
「もしも災害が起きたときに逃げられない」
これが万博会場である夢洲の不都合な真実である。もちろん最悪のことを考えれば何もできなくなるわけで、我々は許容範囲のリスクの中で暮らしている。かつて恐竜を絶滅させたような巨大隕石が落下すればそれこそ人類は滅亡するだろうし、核戦争が起きれば人類は消滅する。ただ、オレはそんな極端なものと比較しているわけではない。オレが想定するのは巨大台風であったり、落雷であったり、南海トラフ地震の津波であったり、阪神大震災のような自然災害なのである。台風なんか毎年のように日本にやってくる。それらの災害がもしも起こったとしたら、夢洲はきわめて脆弱な場所であるということをどうか理解してもらいたい。
そこが危険な場所であるということに多くの人が気付きながら、利権万博2025は強引に推進され、巨額の税金がつぎ込まれ、多くの企業は前売り券を押し売りされた。吉村洋文の政治資金パーティー券を大量に購入した企業がなぜか万博の工事を受注した。予算は当初の何倍にも膨らみ、空から見れば統一教会のマークにしか見えない謎の「木製巨大リング」が建設されることとなった。
万博の巨大リング、火災に対する備えはどうなってるのだろうか。もしも引火すれば通常の木材よりもよく燃えるだけではなく、地中から連続してメタンが燃料として供給されるわけで鎮火は困難である。そして地面を覆うコンクリートの下に貯まったメタンは爆発する可能性が高いのである。
そんな危険な場所に遠足や修学旅行で児童や生徒を行かせることは危険が大きすぎるのである。安全面から考えて、今すぐに万博は中止すべきである。万博会場に潜むこの危険は、一度起きてしまえば取り返しが付かない悲劇をもたらすものである。
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