2024年04月07日(日)

近大生は怒れよ！

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　自民党の裏金問題で離党勧告処分を受け離党した世耕弘成参院議員（６１）が４月６日、彼が理事長を務める近畿大学の入学式に登場して約８０００人の新入生の前で祝辞を述べたそうである。その祝辞の最後に世耕は「変化の激しい社会における自分の立ち位置をしっかりと把握をしてもらって、立派な社会人として４年後、６年後、２年後に近畿大学を巣立っていただきたい」と学生にエールを送り、拍手に包まれたそうである。

もしも京都大学の入学式に世耕のような悪人が登場したら、学生は拍手どころか盛大なるブーイングで応えただろう。自由を愛して反権力の立場を貫く者が多い京大生ならば世耕のようなクソ野郎を断じて許すわけがない。それ以前に世耕レベルの人間が京大の総長になれるわけがないので入学式でスピーチすることなどありえないのが。

　近大生は今政治の世界で起きていることを知っているのだろうか。自民党の多くの議員が受け取った裏金を政治資金収支報告書に記載せず、本来なら逮捕されて議員職を失うべきところなのに検察は動かず、だったら裏金を収入として申告すべき所であるのに国税庁も動かないというモラルハザードの世界にあって「裏金ファイブ」の一人である世耕弘成がいけしゃあしゃあと祝辞を述べる入学式に対して怒りを覚えないのか。

近畿大学の教職員たちの中には世耕弘成の理事長職解任を訴えている人もいるという。日大をみればわかると思うが、私立大学というのはある意味理事長の私物のような世界である。そんなところで正義を訴えることはどれほど困難なことか。オレはその勇気ある戦いにエールを送りたい。たとえ職場のボスがクソ野郎であっても生活のためには逆らえないというのが日本社会の通常の姿である。オレのように公務員の身分をあっさり捨てられた人間は社会の少数派である。辞めるときは同僚から「なんてもったいないことをするんだ」と強く引き留められたことを思い出す。オレはただ「自分の能力を正当に評価しない組織や上司の下では働きたくなかった」だけである。

　近畿大学に入学した諸君、そして現役の近大生の方々にオレは問いたい。世耕弘成という人間をあなたはどう捉えているのか。政治倫理審査会を知らぬ存ぜぬで乗り切ったこの卑劣漢の存在をあなたは肯定するのか。どうして入学式の時に「バカヤロー」「世耕やめろ！」とヤジを飛ばせるような若者が一人もいなかったのか。

　オレは多くの近畿大学ＯＢを知っている。もちろん立派な方々も多い。卒業生たちは世耕弘成の理事長職をどう捉えているのか。少なくともなんらかの不満や違和感は覚えているのはないか。だったらその意思を表明すべきである。何のアクションも起こさないのならば、あなたがたも世耕弘成を認めたのと同じである。何も言わないことは支持しているのと同じなのだ。罪を犯しながら逮捕もされない税金も払わない卑怯な理事長の存在が平気ならば、すでにおまえたちのモラルはぶっ壊れているぜ。