松原市にイズミヤというスーパーがある。オレがまだ小学生だったくらいに開業してるからもう50年くらいになるはずだ。最近はテナントも次々と撤退し、典型的な「寂れたスーパー」となっている。フードコートも昔は直営で、絶妙のゆで加減でパスタをゆでてくれるおばちゃんがいてよく通ったが、その後マクドやミスドなどが入ったよくある普通のフードコートになり、そのうちミスドも撤退してたこ焼き屋もなくなり、今はインド料理とマクドだけである。お年寄りのご夫婦が「ポテトとレイコー」などと注文してそこでのんびりしている風景を休日には見かける。
かつては存在した家電売り場も今はなく、何度かオレがスーツを買った紳士服売り場ももう縮小されて品揃えはとても貧弱になった。ただ唯一充実しているのは靴売り場である。テレビで紹介されていたニューバランスのスニーカーを母が「履いてみたい」と言ったので、そこで選んで購入したことがある。オレも時々そこでふだん使いの靴を買っている。激安品がたまにあるので重宝している。
またそこにはUFJのATMがある。駐車場がある施設でクルマを駐めてさっと現金の出し入れができるのは本当に便利である。銀行のATMは営業時間内でないとクルマを駐められないところが多い。玉造のUFJはいつのまにか駐車場無料サービスを廃止してしまった。そういうわけでオレがATMを利用する頻度はこのイズミヤが最多である。
帰宅途中に妻から「卵買ってくれ」「パン買ってくれ」「牛乳買ってくれ」などのLINEが入ると寄り道しないといけないわけだが、そういう時も実に便利である。そういうわけでこのイズミヤはなくなって欲しくないのだ。
何度か利用したことがある低価格の散髪屋もなくなった。園芸店はかなり昔に消えている。2Fの半分はドラッグストアや100円ショップに占められている。かろうじて元の規模を維持できてるのは1Fの食料品のコーナーだけである。惣菜やお弁当、持ち帰りのお好み焼きやお寿司もあって安くて便利なのだが、購入者は値引きのタイミングに集中するようである。
夕方のフードコートには近隣の高校に通う生徒が滞留していることが多い。ドライブスルーのないこのマクドナルドはいつまで存続できるのだろうか。そもそも黒字なんだろうかとオレは心配になるのである。隣にあったミスドが突然なくなったように、いつか消えてしまうのだろうかと考えると悲しいのである。
このイズミヤの近隣ではここ2年ほどのうちに「イオンタウン」が開業し、「セブンパーク天美」ができ、さらに「ららぽーと」もできた。客を奪い合う状況である。ホームセンターもそこら中にあるし、どう考えても小売店の方が過剰である。
大阪南部と言えば維新行政から見捨てられた地域である。公立高校はどんどんつぶされていくし、バスの本数も減る一方だ。地域の交通インフラを担っていた金剛バスは行政が何もしてくれなかったので結局廃業してしまったのである。国から出ていたはずの補助金のゼニは維新が万博やカジノのために回したのだろう。「過疎地域は切り捨て」というのが維新行政の基本方針だからである。
そこで頑張って営業しているイズミヤをオレはこれからもどんどん利用しようと思っている。それは大規模商業施設に囲い込もうとする大資本へのささやかな抵抗でもある。どうか近隣に住む方々もイズミヤを応援してやって欲しい。松原市、藤井寺市、羽曳野市のみなさん。大塚高校に通う生徒さん、どうかイズミヤをご贔屓にお願い申し上げます。
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