2023年12月22日(金) |
大学の略称について |
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教室に置かれていた雑誌に大学の広告があって「OIDAI」というのが「追手門学院大学」のことであると初めて知った。「追大」を「おいだい」と読むのである。そうした略称は実際の会話でよく登場する。
関西人にとってなじみ深いのは「近大」「関学」「阪大」「神大」などであるが、「きんだい」と言えば、石川県では金沢大学のことになる。「しんだい」は長野県では信州大学のことになる。決して「寝台」の意味ではないのである。大阪には桃山学院大学という大学があるが、ここは通称「ピン大」である。「桃=ピンク」ということで「ピン大」と名付けたそのセンスにオレは脱帽する。
「京女」と言えば京都女子大、「ダム女」と言えば、ダムが大好きな女子のことではなくて京都北山にある「ノートルダム女子大」のことである。「奈良女」と言えば国立の名門奈良女子大学のことなのだ。
大阪市立大学は「市大」そして大阪府立大学は「府大」だったのだが、この二校が維新のせいで強制的に合体させられて「大阪公立大学」となった。その略称は「公」の文字を分割して「ハム大」と呼ぶことがどうやら定着している感じである。
この「ハム大」という略称が人気なのは、「阪大」(はんだい)とまぎらわしいということも大きな理由である。合コンとかで「ハム大」というのを曖昧に発音すると「はんだい」と間違えられるので、相手の女子がうまく誤解してくれるからである。おそらくこの「ハム大」は全国区の名称として定着していくだろう。このような「錯誤略称」としては「めいだい」(明治大学と名古屋大学)、「あいだい」(愛知大学と愛媛大学)などがあげられる。名古屋で「めいだいに合格した!」と言うと、実際は明治大学であってもほとんどの人は名古屋大学のことだと思うだろう。
最近は略称をアルファベットで書くようになって、どこだかよくわからない大学が増えた。ICUが国際基督教大学であることは、小室さんと真子さんの件もあったので多くの人に知られたが、APUが立命館アジア太平洋大学であることを知ってる方はどれだけいるだえろうか。実はこのAPUという略称を青森公立大学・愛知県立大学・秋田県立大学も用いてるのである。紛らわしすぎるのである。IBUといえば関西では四天王寺国際仏教大学のことだが、学ぶ内容がおそらくその対極に位置するような国際武道大学の略称もまたIBUなのである。KIUIと言えば岡山県の吉備国際大学なんだが、これを地元民が「キウイ」と発音するとなんだか美味しそうなのである。
長ったらしい名称をいちいち発音するのが面倒だから略称が使われるようになった。そしてメジャーな大学ほど通称で呼ばれるようになった。「ポン女」「トン女」と言えば「日本女子大」「東京女子大」のことである。これは首都圏の学生ならよく使うだろう。
北海道教育大学は北海道以外の人は「北教大」(ほっきょうだい)と呼ぶが、北海道の人は「道教」(どうきょう)と呼ぶらしい。これは北海道以外では絶対に通じないだろう。また「分大」(ぶんだい)が大分大学のことであるとか、「平大」(へいだい)が福山平成大のことであるとかはもう地元民以外理解不能である。
そしてこの略称は往々にして、ふざけて別の漢字をあてられてしまうことも多いのである。オレの母校はよく「狂大」と呼ばれるし、東京大学は「頭狂大学」と揶揄される。阪大は「飯台」とか「犯大」になる。大阪府立大学は「腐大」である。自分が到底入れない大学をこうしてdisることで人は溜飲を下げるのだろうか。
自分の大学を語るときに大阪公立大学の学生が「ハム大」と呼ぶことを「大阪市立大学」「大阪府立大学」のOB、OGたちはどんな気分で眺めているのだろうか。歴史と伝統ある大学名称を単なる思いつきでつぶしてしまったあの維新の連中には腹が立って仕方ないのである。
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