2023年09月16日(土) |
阪神優勝のMVPは誰か? |
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阪神タイガースがリーグ優勝した。さてそこで「誰がMVPなのか?」ということが話題になるわけである。今のところ、投手では新人王の資格もあり防御率も1位の村上頌樹、打者では出塁率1位になりそうな大山悠輔、1番打者としてチームを引っ張った近本光司の名が上がる。だがオレはあえてそれ以外に、もっともチームに貢献したのは誰かと考えてみたい。オレが推すのは、2塁手の中野拓夢である。中野は最多安打のタイトルが取れる可能性がある。しかし彼の貢献度は攻撃面ではなく守備である。
岡田監督は昨年遊撃手でベストナインにも選ばれている中野拓夢を今季はセカンドにコンバートした。昨年はセカンドを糸原が守ることが多かったが、糸原の守備はお世辞にも上手いとは言えず、その守備範囲は12球団一狭かった。左右の動きが全然ダメだったのである。その糸原が代打に回り、中野がセカンドを守ることになり、ショートの定位置をゲットしたのは木浪だった。木浪は8番打者として出塁しては投手の送りバントで進塁し、それを近本、中野の一、二番が得点に結びつけるという阪神の今季の得点パターンが完成したのである。
1点差のゲームで勝敗を分けるのはやはり守りだとオレは思っている。併殺を取れるかどうか、そして打球が抜けた場合はそれがヒットになり失点につながるということとの差である。今季の阪神は1点差の試合に強かったわけだが、もしも中野が併殺にできなかった打球が抜けて相手の得点になっていた場合、勝っていた試合を10試合以上落とすことになっていたわけである。10試合の勝ちが負けに変わればもちろん優勝できていない。そういう意味でオレは今季の阪神で鍵になったのはセカンド中野だと思うのである。
MVPは記者投票で決定される。巨人ファンの記者の中にはホームラン王の岡本和真と投票する人が居るかも知れない。弱いチームで自由にホームランを打っている岡本和真の40発と、勝つために打った佐藤輝明の20発を比較した場合、どっちに価値があったかはオレが書かなくても明らかだと思うのだが。
オレが物心ついて阪神ファンとなった頃は、V9中の巨人と常に優勝争いするのが阪神タイガースだった。当時の阪神では江夏、村山の両エースが活躍していた。巨人がV9を達成した最後の年、最終戦の甲子園での阪神巨人戦で阪神は0−10で敗れた。試合終了後に阪神ファンは暴徒となってグラウンドに乱入し、ラジオで試合経過を聴いていたオレは悔しくて泣いた。コテコテの阪神ファンであり。打倒巨人に燃えるオレの原点はその悔しさから生まれたような気がする。
突出した成績を残すプレーヤーがいなくても、総合力で試合に勝てるということが今季の阪神は実践できていた。優勝決定時のスタメンに3割打者が一人もなかったことからもそれはよくわかる。
これからCSを勝ち抜き、日本シリーズでオリックス(まだ優勝が決まったわけではないけれど)を倒して阪神が日本一になることをオレは願っている。その時に中野拓夢がMVPであるとオレと同じように考える記者が何人いるだろうか。
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