2023年08月31日(木) |
文部科学省の馬鹿 |
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教員のなり手がない。どこの都道府県も教員採用試験の競争倍率は下がり続けていて、志願者は減る一方だ。その対策としてなんと文部科学省は採用試験の時期の前倒しを提案しているという。民間企業の就職活動よりも早く教員採用試験をやれば受験者が増えると思ってるのだろうか。なぜ志願者が少ないのか文部科学省の官僚は全く分かってないのである。どうしてそこまでボンクラなんだろうか。
教員のなり手がない理由ははっきりしている。仕事がブラックなのに、待遇がよくないからである。仕事をホワイトにするか、待遇を劇的によくするか、そのどちらかが実現すれば採用試験に志願者が大勢殺到するに決まってるのである。初任給が30万、30歳になれば年収650万、40歳で1000万ということになれば志願者は確実に増えるだろう。仕事のブラックさと責任の重さを考えればそれくらいの待遇を与えてもいいのではないか。
ところが学校現場では大量の非正規雇用の教員が働いていて、新規採用者を抑える代わりに定年退職した人を再雇用で安くこき使う。例えば大阪府立高校の校長は再雇用だらけである。校長に本来支払うべき報酬を払わずに、逆に他の教員よりも安くこき使うというひどいことが行われているのである。そんな状況下で「3年連続定員割れすれば廃校に」と脅されるわけだ。オレはそんなところで絶対に働きたくないのである。
すでに多くの自治体が公立学校の教員採用試験を6月末から7月初めに設定している。教育実習が6月中に行われることが多いため、それよりも前倒しはかなり困難である。そうなると教育実習を受け入れる学校のスケジュールにも影響するのである。たぶん中学や高校では教育実習を中間試験の後に入れているはずだ。
民間企業の採用開始時期はますます早まっている。オレが大学生の時は会社訪問解禁は卒業の前年の10月1日だった。教員採用試験はその前に終わっていたのである。オレは就職活動の滑り止めみたいな感じ採用試験の合格をキープしていたのである。今は採用試験が始まる前に民間企業が内定を出してしまうわけだが、もちろん順序が逆になっただけで、条件のいい方に就職すればいいだけである。
オレが大学生だった頃は、育英会の奨学金は教師や学芸員になった場合、返済義務が免除されたのである。だから「合法的な奨学金踏み倒し」というのは教員になる動機となったわけだ。もちろん10年ほど教員として働いたらその後は自由の身である。そういう制度は今の学生ローンという名の奨学金にはない。そういう仕組みを復活させればいいじゃないかとも思うのである。いい教員を確保するということが、どれだけ国益につながるかというのは戦前の師範学校が学費無償だったことを考えればいい。明治維新の日本が世界に冠たる教育システムを作り上げることができたのは、貧乏人の子、水呑み百姓の子であっても努力して試験を突破すれば教員になれたからである。現代は貧富の差がそのまま教育格差につながる階級固定化社会になってしまったが、戦前の日本ではそうではなかったのだ。
教師が高収入で仕事が楽というみんなのあこがれの職業にならない限り、いい人材は集まらないし採用試験の競争率も上がらない。それなのに試験の日程を前倒ししたらそれで解決するなんて思ってる文部科学省の役人は馬鹿しかいないのかとオレはあきれるのである。それ以上に政治家が馬鹿で無能だとは思うのだが。
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