2023年08月19日(土) |
中国不動産バブルは崩壊か? |
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中国の不動産大手、恒大集団がアメリカで連邦破産法を申請して資産の保全をはかった。このことは何を意味するのか。中国で今起きている不動産不況は今後どのようなことにつながるのか。ここでオレは私見を述べたい。
不動産業というのは基本的に土地が右肩上がりで値上がりし続けるという前提のもとに成立する。だから人は借金してまで家を買うわけである。将来確実に値上がりすると思うから今のうちに買おうとするわけだ。もしも土地価格が大きく下げれば、買った土地は担保割れすることになり債務超過になる。
中国では高くなりすぎて買えなくなったマンションの価格などを国策で調整しようとして不動産業への融資を規制した。不動産業の各社は銀行から借りることができなくなったのでより金利の高い方法で調達しようとしたわけだが、それらの債券が利払い出来なくなってデフォルトし始めた。これは銀行が融資を規制したことでバブルが崩壊した日本と似ている。中国で起きることは日本で起きたことをただなぞっているわけだ。中国の不動産大手の恒大集団の負債額は日本円にして約49兆円。2022年にデフォルト(債務不履行)に陥り、現在、は政府の管理下で巨額債務の再編・削減を進めているということである。
タワーマンションの建設工事が途中でストップし、多くの人が「お金を払ったのにマイホームを手に入れることができない」という状況が今中国で起きている。ニューヨーク・タイムズは、販売されたものの未完成の集合住宅が去年末時点で72万戸あると報道している。これらの未完成住宅の購入者は中国政府に救済を求めている。これはバブルが崩壊した日本でも起きなかったことである。大規模な開発プロジェクトが突如中断され、そのまま作りかけの街がゴーストタウンになるのである。そういう意味では作ってからコケた日本よりもはるかに悲惨だ。そして日本の場合、不良債権を処理できず銀行がつぶれるまでにはタイムラグがあった。中国経済はいつ崩壊するのか。それは日本にどんな影響を及ぼすのか。オレはそれを考えているのである。
一人っ子政策のせいで中国は人口減少社会に突入している。若者の失業率も高く、中国政府はそうした実情を隠しているが、もはやバブルの崩壊は食い止められないだろう。経済が失速すれば人々は購買力を失い、生活必需品以外は売れなくなる。自動車のEV化で世界のトップを走っていたはずの中国が失速すれば、自動車産業にも多くの影響が出るだろう。
経済というのは、ゼニさえあれば回っていくのである。中国政府がインフレをある程度覚悟して大量の元を発行して不動産業を救済してしまえば問題は解決する。日本円にして1000兆円くらいの元を発行してそれをバラまいたらストップしてる工事も動き出すだろう。しかし、そうやって民間企業を救済するだろうか。そんなことはしないと思うのである。ゼニを失った多くの人達の不満が累積して社会が不安定化するというのがオレの期待である。それで革命が起きて、共産党支配が終われば世界は劇的に変わるだろう。もちろん習近平はそれを許さないわけで、このバブル崩壊に対してどんな手を打ってくるだろうかとオレは興味深く眺めているのである。
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