2023年04月10日(月) |
統一地方選挙前半戦を終えて |
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大阪W選挙が終わったが、大阪府知事選挙に於いて吉村洋文は2,439,444票を獲得した。得票率にして73.9%という圧勝だったわけである。ちなみにオレはたつみコータローさんに投票したがその得票は 263,355票、得票率にしてわずか7.96% に終わったのである。確定投票率は46.98%でこれは前回の49.49%をさらに下回った。
今回、吉村洋文以外の候補者はカジノ・IRに対する問題点を指摘し、それを選挙の争点にしようとしたが、吉村は教育、子育て重視の姿勢(嘘)を訴え、結果的にカジノ・IRは争点化できなかった。テレビ討論会では維新行政の検証について嘘や言い訳に終始し、それを他の3候補者に一斉に突っ込まれるという展開だったが、どうやらそれは有権者には通じていなかったのである。それは「カジノ・IRに反対」という方でさえもかなりの方がなぜか吉村洋文に投票していることからもよくわかる。ただ、今回の選挙に圧勝したことから吉村は「民意はカジノ・IRを受け入れた」と言うだろう。
今、大阪で一番の問題は何だろうか。中小企業がたくさん倒産し。インバウンドを当て込んだ観光業もまだ回復にはほど遠い。教育現場の混乱も続いていて、退職・休職者も多く現場では「人手不足」の状況が日常化している。たつみコータローさんは「公教育の建て直し」を訴えたが、維新行政ではそれも望めない。今以上に混乱は加速するだろう。
今後大阪でどのようなことが起きるのかオレには予想もつかない。ただ、オレは今回の統一地方選挙を見ていて感じたことが一つある。それは「真実や事実を伝える」ということの空しさである。たとえば吉村洋文が堂々と語る嘘について指摘しても、それは維新支持者には全く刺さらないのである。そして投票に行かない5割以上の人々にとってはどれはどうでもいいことなのだ。自分の生活に直接関わりの無いことに対してはとことん無関心なのだ。
ただ、知事選挙や府議、市議選の結果が生活に関わりがないわけではない。たとえば大阪府は「府市一元化」という名のもとに国保料や水道料金を府で一律にしようとしている。これまで努力して安くしていた自治体も軒並み値上げになるのだ。もちろんそういう住民にとって不都合なことは、「民意を得た」と知事は受け止めているので粛々と進められるだろう。
オレは維新が一党独裁体制を整えた大阪は、共産党以外の政党が存在できない中国と同じ状況になったと思っている。大阪ではさまざまなことが府議会を開かずに吉村知事の専決処分でどんどん決められてしまったように、今度は大阪市で同様のことが起きる。たとえ住民にとって不利なことであっても、議会のチェック機能はもう働かないから止めることができない。共産党議員がゼロにされればチェック機能は完全に失われてしまうのである。
昨年堺市議会では共産党の議員が提出した「痴漢対策の強化」を求める議案があって、それに維新議員が全員反対するということがあった。維新の堺市議に痴漢での逮捕歴があった人がいたことが理由なんだろうとオレは思ってるが、この恥ずかしいニュースはネットで検索しても新聞の元記事はすでに削除されてしまっている。何か大きな力が働いて「なかったこと」にされてしまっているのである。
ロシアや中国のような一党独裁体制になってしまった大阪にオレはとどまっていいのか、それとも政治的に亡命した方がいいのか、決断を迫られている。 オレの心の中には「アホが間違った選択をして滅びるのは自己責任」という考えももちろんある。しかし、そうして滅亡してしまう時に必ずオレの親しい人達まで巻き込まれてしまうのである。
選挙では正しいことをいくら訴えても勝てない。大衆は「正義」よりも「政治家にとって都合のいい嘘」に騙されるからである。オレは維新行政の問題点や彼らの語る嘘について粘り強く訴えてきたが、そうした小さな叫びは吉村や維新支持者の語る巨大な嘘に飲み込まれてしまったのである。馬場代表は2021年の衆院選の時に自信の嘘を指摘されて語った。「国会の発言ではなくて選挙ですから」
「選挙に勝つ」ただそれだけの目的に特化した組織が、これからの日本の民主主義を根底から変えようとしている。自民党も公明党も立憲民主党もまだその意味に気付いていない。この敵に対してもはやなりふり構わずにすべての党が力を合わせて立ち向かわないといけないのに、まだ気付いていないのである。
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