2022年05月18日(水) |
突然死んだSSD |
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オレは中古で購入したレッツノートを普段使っている。4万円台の中古ノートだが、新品のSSDに換装された再生パソコンである。2013年からそのレッツノートを使ってきたわけだ。そのノートが突然動かなくなった。画面がフリーズしてしまったのでオレは電源を落とした。その後もう一度電源を入れたが、二度と起動しなかったのである。
接続されてるはずの320GBのSSDは、EMPTYと表示されていた。使用時間は約2万時間。それはSSDの寿命なのだろうか? オレは絶望に打ちひしがれた。本体から取り外してさまざまな方法でのデータ回収作業に取り組んだが、すべて結果は失敗だった。職場で使用されているパソコンのメンテナンス業務を行ってる専門の方々に依頼してみたがだめだったのである。
オレはネットでデータ修復作業を行う会社を検索し、その一番目にヒットした「成功率95%」と宣伝する会社に電話してみた。するとSSDを郵送してもらって最低5万円くらいからということだった。5万なら・・・と思って依頼するつもりでSSDを梱包して準備した。しかし、気になってネットで口コミ情報を検索すると、その会社は「高額なゼニをぼったくられたのにデータは復旧できず」などの悪い口コミ情報が次々と出てきたのである。オレはあわててキャンセルの電話を入れた。幸いまだSSDは手元にある。やはり対面で交渉できるところで、しかも「完全成功報酬制」のところがいい。失敗なのにゼニだけなくなるという事態は避けたい。
オレは梅田にある業者に電話をして、状況説明を行った。そこで提示された金額はなんと35万円だった。もう唖然とするしかなかった。失ったデータというのは、写真、音楽、テキスト、そして筆まめの住所データである。オレは梅田に赴いて、見積もりだけなら無料ということで話を聞くことにした。
梅田にあるその業者の対応はとても丁寧で、最低料金は99800円、後はどれだけデータを回収できたかなどによる成功報酬制ということだった。オレはそこに依頼することに決めたのである。
さて、SSDを失ったレッツノートの方だが、新品のSSDにWINDOWS10を再度インストールして使用可能となった。それで今こうしてブログ記事を書けているのである。通常の使用に関しては何の問題もないし、そもそも大事なデータの多くはネット上にあるわけで、オレがこれまでに書いた膨大なテキストの多くはパソコンの中ではなくてアップロードされたWEB上にある。また仕事に必要なデータはUSBフラッシュメモリーにすべて保存していて、しかもその中身はバックアップを職場のサーバーの中に保存しているのである。そうすると、失われたデータをゼニをかけて回収する行為にどんな意味があるだろうかということになる。
たとえばオレは2020年から乗っているロッキーの燃費記録をつけていた。給油のたびに走行距離と給油量を記録して、エクセルで表を作って通算の燃費や給油量、これまでに支払ったガソリン代などをすべて記録していた。そのデータは完全に失われたのである。しかし、それを記録することに果たしてどんな意味があるだろうか。十数万円を支払ってまで残さないといけないものだろうか。
筆まめの住所録データに関しては、年賀状は捨てたことがないので復元可能である。時間のあるときにコツコツやればいいだろう。自分が誰に出したのかはわからなくても、少なくとも届いたものに関しては記録可能だ。2013年までのデータはあるので、そこに上書きすればいいし、来年のお正月にまた更新すればいいだけである。写真データの多くはSDカードに記録されてスマホ内にある。たぶん過去8年分くらいのデータはSDカードにも残ってるはずだ。
そうしてあれこれと考えてきて、オレはお金をかけてデータを取り戻すことに果たして意味があるのかということに思い至った。大切なことは自分の記憶の中にある。それは考えたらオレと同じ状況に置かれた多くの人も同じではないだろうか。
こうしたHDDやSSDの突然死ということに出会った人はオレ以外にも無数にいるだろう。彼ら彼女らはみなその悲しみから立ち直ったのである。そして一番大切なデータに関してはオレはちゃんと保全していたのである。
いづれ業者から見積もり金額の電話がかかってくるだろう。オレはそこで丁重にお礼して依頼を取り下げようと思っている。
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