2022年04月05日(火) |
ロスケの犯罪について |
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「ロスケ」というのはおそらく放送禁止用語だろう。これは日本人のことを「ジャップ(JAP)」と呼んだり、中国人を「チャンコロ」と呼ぶのと同じく、普通の言い方が存在するのにあえて差別的な意味を込めた蔑称として使う言葉だからである。しかし、キーウ近郊から撤退して行ったロシア兵が残した多くの虐殺・拷問された遺体の写真を目にした時、オレはこの蔑称を使いたくなるのだ。「ロスケ、おまえらはとんでもない連中だな」と。
8月15日の終戦の後もロシアは戦争を止めなかった。千島列島の北端にある占守島を攻撃し、樺太にも侵攻してきた。占守島では日本軍は反撃し、上陸してきたロシア軍を温存されていた戦車が撃退した。そうして時間を稼いでる間に缶詰工場の女子工員たちは無事に逃れることができた。もしも逃げられなかったらどんな凄惨なことが起きただろうか。満州で起きたことを思うとロシア兵たちが逃げ遅れた女性たちにどんなことをしたかは容易に想像できるのである。占守島を占領したロシア兵は、戦利品にする女性たちを求めて島中を探し回ったと言われている。
ドイツが降伏してベルリンが陥落した時、ロシア兵によって強姦されたドイツ人女性の数は10万人以上と推計されている。このような事件が起きる背景には、戦場における略奪や強姦は犯罪だという認識がロシア兵に欠けているからであるとオレは思っている。日本でも戦国時代の足軽にとっては戦場での略奪というのは楽しみの一つだったわけである。そうした状況は兵農分離をはかって「職業軍人」としての武士階級が成立することで解消していくわけだが、ロシア軍のモラルというのはおそらく第二次大戦の頃から基本的に変わっていないのだろう。だから今回のウクライナ侵攻でも民家を破壊して略奪したブランド品を彼女へのプレゼントにしようとする「ロスケ」がいるのだ。
戦場での性暴力を「逃れられないもの」と肯定した日本政府は、女性を募集して進駐軍のための慰安所を開いた。しかし進駐軍による民間人女性への性暴力は止まらなかった。それは今の沖縄でも継続している。この問題について日本政府が正しく向き合わなかったこともその大きな原因である。ベトナム戦争時に韓国兵によるベトナム人女性への性暴力によって多数の「ライダイハン」と呼ばれる子どもたちが生まれた。これは韓国軍による戦争犯罪の結果起きたことだが、韓国政府はライダイハン問題の存在を黙殺しているし、ベトナムs政府も両国の友好関係を重視してこの問題に向き合っていない。
ウクライナでロスケの起こした犯罪についての全責任はプーチンにある。自国の兵士たちのモラルが低いことを認識できてないことは国家指導者の罪だ。プーチン一人が全責任を負って代表で処刑されれば、オレは今回の戦争に対するさまざまなロシアへの制裁はすべて解除してもいいと思っている。
昭和天皇はダグラス・マッカーサーとの会見で、「戦争責任は日本国民にではなく、すべて自分にある」と述べたとされている。これは明確な出典がなく本当かどうかわからないのだが、昭和天皇は「敗戦の責任を取って自分が処刑されてもいい」と側近に語ったということである。たぶんこれは右翼の人たちが作ったフィクションだとオレは思っている。後鳥羽上皇は承久の乱の時、責任を武士たちに押し付けた。北条義時が上皇を流罪にしたのはその無責任な態度に怒ったからかもしれない。
多くの戦争犯罪が明らかになった今もロシアの側は「ロシア兵は民間人を一人も殺していない」と主張し続けている。この堂々と嘘を主張し続ける態度は、嘘しかいわないどこかの政党みたいで見ていて本当に気分が悪い。
兵士が人間性を失って無差別に民間人を殺傷するという戦争の本質を前にして、我々はどういう態度を示すべきなのか。確かに戦場というのは特殊な状況だ。しかし、目の前にいる人間を殺すかどうかという判断は個人の意志に委ねられている。そこでためらいもなく人を殺せるような人間がこの世に存在するということをオレは限りなく恐れるのである。
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