2021年12月10日(金) |
ベラルーシの難民ビジネス |
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旧ソ連の専制独裁国家、ベラルーシ経由で欧州を目指す中東からの移民や難民がいる。シリアでは戦争が続いて多くの市民が犠牲になっているわけで、そこから安全な国に脱出したいというのは当然のことである。戦争の絶えない母国よりも、平和で安全な生活が送れる国に行きたいという人間の欲求は止められない。
そこにつけこんだのがベラルーシである。なんとベラルーシ国営の旅行会社が高額の「難民ツアー」を販売しているのだ。それを購入するとベラルーシに入国するビザと飛行機のチケットが手に入る。そうして入国後はベラルーシとポーランドの国境付近に移動して、密入国を目指すわけだ。
ベラルーシ軍兵士がこの密出国を手伝っている。出国者はいくつかのグループに編成されて国境付近に送り込まれ、徒歩で越境するのである。国境を越えてから運よくポーランド側の支援者と会えるといいのだが、極寒の中で凍死したり衰弱死する場合もある。国境地帯は森林や沼地である。
EUからの経済制裁を受けているベラルーシが、その報復のために大量の難民を送ってくるということを主張する人もいる。つまりこの難民送り込みこそがポーランドへの嫌がらせなのである。
しかし、ここで大事なのは国家間のそうした軋轢ではなく、人命であり、難民になった方々の生命財産ではないのか。ベラルーシでは越境前に難民の所有する現金や食料、スマホなどを取り上げるという。そうして手ぶらの難民を送り込むので受け入れ側は生活の面倒をすべて見ることになる。これは大変な負担である。
日本は難民を受け入れないことで諸外国から批判を受ける。このような事件を知ると、どうして日本政府は「〇〇人に限って受け入れます」というアピールをしないのだろうか。少子高齢化で労働力不足、技能実習生に頼らないと一部の産業が成り立たないという状況下で移民を受け入れることはむしろ国益ではないのか。
今の日本にはすでに多くの国から経済難民が流入し、不法滞在の状況になっている外国人も少なくない。入管の対応もいくつも問題を引き起こしている。
移民や難民が流入することで治安が悪化するとか犯罪が増加することを懸念する方もいる。その危惧はもっともなことだと思う。ただ、犯罪に走る背景にはきちんと正業に就くことができないという事実がある。受け入れ側の教育と安定雇用によってそうした恐れは限りなく減少するだろうし、何より日本という国がこれから目指さないといけないのは諸外国との共生ではないのか。
オレは瀬戸内海の島々の中で人口が流出して過疎に陥ったような場所を「特区」にして、そこにさまざまな国の方に住んでもらったらいいと思っている。気候の温暖な瀬戸内でいろんな国の租界みたいなものを作ってしまうのである。海面上昇で国土が危機に瀕しているキリバスなどの太平洋の国々も来てもらえばいい。
ベラルーシのように難民をビジネスにした国は論外だが、少なくとも日本には「人道支援」するだけの余裕もあるし、国内で受け入れる余地も十分にあると思うのだ。海外に支援金をバラまくよりも、国内で受け入れればそれは日本にとって国益となることだとオレは思うのである。
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