2021年11月14日(日) |
地域限定仮想通貨 |
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もしも日本から貨幣制度が消滅して物々交換の社会になれば、消費税という税収は全く入らなくなってしまうので政府は困るだろう。しかし、我々はこの消費税という天下の悪税に対して対抗できる唯一の手段が「貨幣経済を捨てる」ということではないだろうか。
もっともお金がなくなってすべてが「物々交換」になると面倒すぎて困るし、交換するものを常に持ち歩かないといけないことになる。それで、その交換のために使えるものを地域で発行すればどうか。江戸時代にそれぞれの藩が「藩札」を発行したように、それぞれの地方自治体が「町札」「市札」というものを発行すればどうだろうか。
こんなことを書くと、すでに「地域振興券」などがあるという答えが返ってくる。この地域振興券はたいてい一回買い物などに使った時点で回収に回るのでその経済効果は発行分しかない。しかし、それがぐるぐると地域住民の間で使われ続けて循環するということになればどうだろ。商店は受け取った地域振興券で仕入れや従業員の給与を支払い、それを受け取った人はまたそれを別の支払いに使うというパターンである。もちろん、何らかのインセンティブがないとそういう効果は生まれない。それでたとえば地域振興券で払った場合は消費税を非課税にするということなら、みんなどんどん使うだろう。給与の一部を地域振興券で支払えば、その部分には所得税がかからないようにすればどうだろうか。
地域振興券を、デジタル仮想通貨にして、そしていつでも市役所で交換可能にし、他の地域の人が使いたければ市役所でチャージできるようにすればどうか。もしもこの仮想通貨の「消費税非課税」ということが評価されれば交換レートが変動して、円よりも数パーセント高くなることも考えられるのである。もしも住民がこのデジタル仮想通貨を額面よりも1%安く購入できるということになれば争って購入者が出るだろう。
山本太郎はコロナ対策として月20万✕3という金額を全国民支給することを主張した。それが実行できればおそらく大きな景気対策になるだろう。アメリカもヨーロッパもコロナ不況から立ち直って経済が回復してるが、その理由は国の財政出動がふんだんにあったからである。日本政府の財政出動が期待できないのなら地方自治体がデジタル地域通貨によって財政出動できないだろうか。そしてその使用が一回限りではなく、ずっと流通し続けるものならば発行した自治体はその地域通貨をすぐに償還する必要がなくなるのだ。これは国が国債を償還せずに追加発行してしのいでることと似ている。
もしも大阪維新の会が大阪だけ景気を良くしようと思うならば、大阪でだけ通用するデジタル通貨「マイド」なんかを発行すればいいのである。そしてpaypayみたいに手数料を取るのではなく、そこは無料にすればいい。
もっとも維新の会は住民から搾取することしか考えてないのでオレが提案するような効果のあるプランには乗ってこないだろう。オレのこの案が地域経済に貢献してうまくいくことを立証しようと思ったら、それほど規模の大きくない人口5万人以下くらいの自治体で実証実験するしかない。
たとえば三陸地方のある市や町が地域通貨「じぇじぇ」を導入するとして、旅行者は訪問時に手持ちのお金の一部を「じぇじぇ」に両替してスマホにチャージし、町を出るときは残った「じぇじぇ」を円に戻すこともそのまま町に寄付することも選べるとする。「じぇじぇ」で買い物すれば消費税がかからないことにし、店は同様にその「じぇじぇ」を使って消費税非課税で仕入れを行うことが可能になるとする。工夫して「じぇじぇ」での売り上げをどんどん増やしてそれを総売り上げから控除することで節税することも可能になるのだ。
もしも自治体が大量の「じぇじぇ」を発行して住民に配れば、住民はその「じぇじぇ」を使っていろんな買い物をすることになり、町の中での経済活動がどんどん活発になる。もちろん地域外の店でものを買うためには日本円が必要である。結果として「買い物は町内で」ということが推奨されるし、観光客が両替した「じぇじぇ」を使ってくれれば、その「じぇじぇ」の総量が増えることで町はどんどん豊かになっていくのである。政府の経済政策は全くあてにならないが、工夫すれば地域でこんな取り組みもできるのである。
世田谷区の「ガヤペイ」がどんな形で運用されてるのかオレは知りたいのだが、スマホを持つ人が増えた中でアプリ導入で簡単にデジタル仮想通貨が運用できるならば、新たな可能性があるとオレは思うのである。
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