2021年11月13日(土) |
大阪公立大は爆誕しない |
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新聞に広告が出ていた。
始動! 大阪から世界へ
大阪公立大学 爆誕
大阪市立大学と大阪府立大学が統合されて来春から「大阪公立大学」というセンスのないネーミングの大学が誕生するのだが、いったいこの大学をなんと呼べばいいのか。「だいこうだい」と呼ぶと「大阪工業大学」と区別がつかない。今もっとも有力視されてるのが「公」の文字を分解した「ハム大」である。ハム大の名称が定着しそうなのはそれが「阪大」と紛らわしいからであり、本人が口をもごもごさせながら「ハム大」と言った時にそれを相手が「阪大」と聞き間違えてくれればラッキーという理由なのである。本当につまらないのである。
そもそもこの統合には何の前向きの理由もない。公立の大学に与えられる予算は年々削減されてきた。これは「教育や文化の破壊」という国策に沿ったものであり、大阪も教育予算の削減という流れに抵抗することなく大学もそれを受け入れざるを得なかったわけだが、今回の統合劇も「逆らうと予算減らすぞ」という脅しがあったことは容易に想像できるのである。
歴史と伝統がある大阪市立大学、大阪府立大学の卒業生は多数いる。私の同僚にも多い。その人たちはこの統合を望んでるだろうか。否である。そうした人たちの声は全く無視されている。誰だって自分の母校の名前が無くなることを望んでいないからである。
そうした声を無視してこの統合を強行するのは、この統合が他でもない橋下徹というオッサンの単なる思い付きであり、そして大阪維新の会の成果の一つとして政治利用できるからである。大阪ではこの10年間、大阪を支配した維新の会がさまざまな成果を上げてきた。道路の白線を無くして自由な交通を推進するとか、公立高校の数を減らして教員数を削減することで公務員を減らすとか、公立高校の図書館司書を廃止して生徒の本を読む習慣を奪うとか、病院を減らして医療費を削減するとか、看護学校をつぶして補助金の無駄を削減するとかである。そうした多くの「成果」を示して維新の会は(洗脳されやすいお人よしの)住民の支持を固めてきたのである。
そもそも来春に大阪公立大学は「爆誕」などしない。新キャンパスが完成するのはまだまだ先だし、今のままのスタイルで名前を変えてスタートするだけである。それを「爆誕」などと書くのはルギア様に対して失礼である。任天堂も怒ってるだろう。
「爆誕」ということばでイメージだけを先行させてその実体は何もない。それがこの大学統合の実体である。政治家は命令を出しても必要なゼニは出してくれない。余計な仕事を増やされて現場の人間は右往左往している。本当にただの迷惑である。
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