2021年06月27日(日) |
アタック25の思い出 |
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もう30年近く前だが、オレは「アタック25」というクイズ番組に出演している。ただクイズに答えるだけではなく、オセロゲームのようにパネルを取っていく戦略も要求されるわけでなかなか面白いバトルが展開されるのである。
ただ単にクイズ力だけを競うならばオレは絶対的な自信がある。テレビでは「東大王」などのマニアックな番組をやってるが、あの並外れた方々とオレはそこそこ戦える自信がある。ゲームセンターにクイズのゲームがあったころはわずかなコインで長時間遊べたものである。正解を続ければいいからである。
大学生の頃、「世界一周双六ゲーム」という番組があった。オレは一人で8割近い問題に正解しながら、「ガックリ都市」というマスに止まってしまって振り出しに戻り、またそこから巻き返してトップに立つというありえない大奮闘をしながら最後の問題で僅差で敗れた。おそらくオレが一番クイズに強かったのはその頃である。「クイズミリオネア」とか「史上最強のクイズ王」「アメリカ横断ウルトラクイズ」などはオレよりも少し後の世代である。大学の学園祭に行くとたいていクイズ大会があった。「クイズミスターロンリー」という番組には三回出演し、5人勝ち抜いてチャンピオンにもなった。
アタック25に出場した時はもう30を過ぎていて、反射神経も記憶力もかなり衰えていたが、それでもオレは出場者の中でもっとも多くのクイズに正解した。しかしオレの取ったパネルはどんどん他の色にはさまれてひっくり返されてしまう。ここはやっぱり角を取るしかない。それでオレは「枚数狙いよりも角」という戦略に切り替えて角を取り、あとはじっくり多くのパネルをひっくり返して勝とうと思っていたのである。
しかし、アタック25には「アタックチャンス」という、せっかく取った角を奪われるという悲劇が発生するのだ。オレはアタックチャンスで角を失い、それが響いてパネルを7枚しか取れずに2位に終わったのである。
そのアタック25が、この秋に放送終了だという。これで一般視聴者参加できるクイズ番組は姿を消すのである。ものすごく残念なのである。
かつては多くのクイズ番組が存在した。「クイズグランプリ」とか「アップダウンクイズ」とか「ベルトクイズQ&Q」とか、視聴者参加型の番組がたくさんあって、テレビの前で解答者よりも先に答えられるかを競うという楽しみがあったのだ。そうした番組は教養のあるクイズ好きな視聴者が支えていたのである。
しかし、いつのまにかオレのようなそうした視聴者は激減し、世の中の多数派を馬鹿が占めるようになった。馬鹿にとって「クイズ番組」というのは全く面白くないのである。そういうわけでクイズ番組は「東大王」のような芸能人を大勢出演させるクイズバラエティ番組へと変貌していった。カズレーザーや宮崎美子のようなちょっとクイズに強い芸能人がもてはやされるようになったのである。
知識や教養を大切にしない社会は滅びる。テレビからクイズ番組が失われることはとても残念なのである。
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