2021年04月21日(水) |
デジタル地域通貨を作れ! |
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地域限定で発行されるお得な商品券は一度使うとそれっきりだが、今自治体の中にはデジタル地域通貨を導入するところが出てきている。これは受け取った人がまた使うことができるという形で使い続けられるので、まるで江戸時代の藩札みたいなものである。しかし、地域内だけで使い続けられるのならば大量に発行したらどうなるのか。
たとえばある田舎町が、その町の中だけで使用できる地域通貨、田舎payというものを導入したとしよう。そして町民にお祝いとして10億payをアプリ上に無償で配布したとする。商品券なら最終的に現金と引き換えることとなるので町は発行分の現金を用意しないといけないわけだが、デジタル地域通貨ならそのまま流通し続けることとなる。町民は地域内での日常の買い物などにその田舎payを使い続けることとなる。人口1000人の村に10億円分のデジタル地域通貨を配布すれば、一人当たり100万円ずつ配ったのと同じになる。町はこのデジタル通貨を回収しないで町内で流通させて使い続ければ、町民はずっとウハウハと豊かな状態でいられるのである。ただし、町内での買い物にしか使えないのだが。
この田舎payのお金の動きはスマホアプリの上だけなので、国税庁に捕捉されることもない。その町内で開業している飲食店がどれだけの田舎payでの売り上げをあげていたとしても、それは非課税ということにすればいい。町外からやってきた客の使った現金での売り上げ以外はすべて申告不要と言うことにして、日本円を介在としないデジタル塚による地域経済を確立してしまうのである。
自然エネルギーによる発電で電力を自給できるとか、農業によって自給自足可能であるとかいう田舎の町でデジタル地域通貨を発行し、ある程度の観光客を受け入れてそこから現金収入を得ることができるならどんどん外貨(日本円)を地域内にため込みつつ、地域内ではぐるぐるデジタル地域通貨を回転させることで住民全員が豊かさを実感できるのである。
町をひとつの仮想空間ととらえてみれば、その中で流通するデジタル地域はゲーム内通貨みたいなものである。我々がオンラインゲームの中でどれだけゴールドを貯めてもそれに課税されることはない。街がリアルの空間でありながら同時にバーチャルなものとなり、ひとつのオンラインゲームの中の仮想世界のようなものであると仮定するならば、そこだけで流通していて地域外に持ち出しても無価値なデジタル地域通貨に対して課税することは不可能である。そうした仕組みに対して国はどういう対応をしてくるだろうか。
オレは楽天カードを使って楽天ポイントを貯めている。この楽天ポイントは現金の代わりにさまざまな買い物に使うことができるのだが、もしも100万ポイントとか贈呈されたらそれは申告する必要のある「所得」ということになるのだろうか。年間に楽天カードで2000万円くらい買い物する人は、楽天ポイントが仮に支払額の1%だとしても20万ポイント貯まることになる。これを「所得」として申告している人などいないだろう。 ビットコインをビットコインのまま所有して、それが値上がりしたとしても保有資産の上昇に対しては課税されないが、売買益が出れば課税対象になる。それならばビットコインのままやりとりすればいいわけで、リアルの物品と永久に交換しなければいいのである。もっともビットコインのままで置いていても本人にとって何の益ももたらさないのであるが。
デジタル地域通貨には大きな可能性がある。どこかに日本円の代わりにデジタル地域通貨のみが有効な街がオープンすれば面白いとオレはあれこれと想像している。
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