2021年03月25日(木) |
スエズ運河座礁事故の責任 |
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スエズ運河でコンテナ船が座礁するという事故が発生して復旧作業が続いている。事故は3月23日の午前に発生したのだが、愛媛県の正栄汽船が所有し、台湾の会社が運航する大型のコンテナ船が砂嵐による悪天候の中で座礁事故を起こし、進路を斜めにふさぐ形で立ち往生した状態で運河に引っかかってるのである。
オレはこの「座礁」という部分にとても驚いた。このようなコンテナ船の通過の際に日本円にして5000万円近い通行料を取るスエズ運河はきちんと船が安全に運航できるように管理する責任や義務がある。それが「座礁」とは何事か。きちんと浚渫されてないということはこれは管理責任の問題である。スエズ運河は確かエジプトによって国有化されていたはずだからその賠償責任はエジプト政府にあるはずだ。そのあたりはいったいどうなってるのか。
砂嵐が起きるような場所なら、運河はどんどん砂で浅くなるだろう。そこに定期的に浚渫船を走らせ、運河の底の汚泥をさらって船が航行できる水深を維持するのは当然のことではないのか。それができてなかったという大失態である。
この運河を管理する当局であるスエズ運河庁は、25日もタグボートや浚渫船を出して、コンテナ船を動かす作業を続け、作業終了までは運河の船舶の通航を止めると発表している。しかし復旧の見通しは発表されていない。一日に50隻ほどの船が通過するスエズ運河ではすでに待機してる船が150隻を超えたという。物流の遅れが発生すれば企業の中には生産がストップするところも出るだろう。その経済的損失は計り知れないのである。エジプト政府は世界に向かってお詫びしてもらいたいのである。
ところが今回座礁した船は日本の船会社が所有し、台湾の会社が借りて運航しているわけである。それを理由に日本や台湾が批判を受けるとしたらそれはおかしいのである。悪いのは運河の管理ができていなエジプト政府、そして砂嵐である。砂嵐のせいで船が正常運航を妨げられたのならば、それはもう気象上の問題だからどうしようもないのである。オレは人生で一度もこの砂嵐というものを体験したことがないが、そんなものに遭遇したらクルマの塗装は削られて傷だらけのむちゃくちゃになると思うのである。なんで中東の国々へイタリア製のスーパーカーが輸出されるのか意味不明である。そんな国ではクルマが痛んでしまう。買っても使わずに室内に保管して眺めて楽しむというのが正しい使い方である。
運河に引っかかった船の映像がテレビで流れている。素人考えでは前と後ろをそれぞれ逆方向に牽引すればそれで船は正しい向きに戻せると思うのだが、車の牽引ロープみたいなものをたくさんつないで引っ張ることはできないのだろうか。船にはそういうフックは装備されていないのか。そのあたり、海の男たちの見解が聞きたいし、運河封鎖で困ってるヨーロッパの諸国にはそういう作業の専門家はきっといそうな気がするのだが。
太平洋戦争の時、飛行機を格納できる巨大潜水艦でパナマ運河に接近し、そこを爆破してアメリカの軍艦が大西洋から太平洋に移動できなくするという計画が日本海軍にあったらしい。潜水艦が完成した時はもう戦局は極度に悪化していて、全長122mの巨大潜水艦、伊四〇〇型が完成したのは昭和19年の暮れのことだった。完成した2隻は結局戦争に間に合わず、米軍に引き渡され、そののちソ連にその技術を渡さないようにと爆破破壊されることとなる。
スエズ運河封鎖というこの大変な事態がもたらす世界経済への深刻な影響が日本ではなぜもっと報道されないのか。おそらく韓国や中国ではこの事故を日本叩きに使うためにさかんに報道してるだろう。
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