2021年03月05日(金) |
東京で暮らすということ |
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この春、首都圏の大学に合格して東京で学生生活をスタートする若者は大勢いる。住むところを探して契約し、新生活をスタートするわけだがオレの教え子も何人か東京生活をスタートする。
明治大学に進学することになった生徒に「どこに住むのか」と訊くと、大学のキャンパスに隣接する学生寮のような施設があるということだった。ドーミーインというホテルチェーンを経営する共立メンテナンスという会社が、昔の学生寮のような施設である学生会館を運営していて、そこに入居するということだったのでオレもさっそくネットで確認してみた。2食付きで9万6100円というリーズナブルな金額だった。食事が提供されるなら生活の心配はかなり軽減される。
もう一つのメリットは通学時間である。京都や大阪なら大学まで徒歩や自転車で通えるところに住むのが普通だが、東京の場合は大学に電車で通うのが普通である。そうなるとラッシュアワーに揉まれ、しかも定期代もかかるのだ。通学時間がゼロでそれがないということはストレスが大幅に軽減されるのである。
このドーミーの学生会館、かなり多くの施設が存在していて、地域によって値段も違っていてなかなか興味深い。不便な田舎はそれなりに安いわけだし、首都圏の状況というものがわかって面白かった。
昔は貧乏学生にとって「学生寮」というのは頼みの綱だったのである。京都大学吉田寮はオレが入学したころは確か寮費が月/100円だったはずだ。それさえも滞納してる学生がいるということに驚いたものである。その吉田寮の寮費は今は月3000円くらいに値上がりしている。物価の上昇率に比べてあまりにも寮費の値上がり率は大きい。40年で30倍になったものなど他にないだろう。
コロナ禍でバイトも減少し、貧乏学生の生活はかなり困窮を極めている。そうした中で少しでも安く住める所というのは価値がある。賃貸マンションの家賃相場はコロナ禍のせいで下降気味である。家主側も空き室になったままというのは困るのでなんとかして入居者を集めたいという焦りもあるだろう。
街を歩くと必ず賃貸住宅の業者のところで掲示を見て、その地域の相場をオレは確認する。築古の物件は驚くほど安い。だから東京でもきっと掘り出し物はあるのだろう。郊外に行けば大量の空き家がある。オレの住む地域では築30年以上の一戸建て住宅がリフォームされて500万くらいで売られている。大阪府下でももうそんなものなのである。
土地は絶対に値下がりしないという土地神話はバブル崩壊であっさりと消え去った。少子高齢化の時代のババ抜きゲームの中で家賃は下がっていくだろうし、貧乏人の選択肢もそれなりに増えていくだろう。オレの教え子たちが東京でどんな暮らしをすることになるのだろうかとオレはあれこれ想像するのだった。
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