2021年03月07日(日) |
読むべきか、読まざるべきか |
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『鬼滅の刃』の映画「無限列車編」を観に行ったことを次男に伝えた。すると次男から「早くコミック全巻読みなさい」と命令された。たった25巻だからすぐに読めるだろうということである。オレは「読んでしまうと映画やアニメの楽しみがなくなる」と答えたのだが、次男からは「漫画と映画は別の楽しみがある」という答えが返ってきた。確かにそうなのである。今回は息子の方にかなり分がありそうな展開で、オレはたじたじとしているのである。小説と映画の違いについて、記事の中でさんざん書いてきたのは他でもないオレである。
小説や漫画は素晴らしいのにそれを台無しにした映画はたくさんある。『ノルウェイの森』もそうだし、『グスコーブドリの伝記』もそうだ。『白夜行』もそうである。『キューティーハニー』は佐藤江梨子が出演した映画はよかったが、西内まりやはそれをぶち壊した。変身シーンで一瞬全裸になるというのがあの作品の見せ場なのに、それを省略してしまえばなんのためにセクシー女優を起用してるのかわからないのである。
そういうリスク、つまり映画が駄作かも知れないというリスクを考えればコミックを先に読んでおくというのは妥当な選択だ。そして気になるこの先の展開もわかる。しかし、わかってしまうことは果たしていいのだろうか。
映画「無限列車編」では主要な登場人物が死ぬ。オレは映画を観る前に事前情報を全く仕入れてなかった。だからその場面はものすごいインパクトがあったのだ。なんでこんなことになるんだ。どうしてこのキャラを死なせるんだとオレは驚愕し、そして泣いたのだ。もしも先にコミックを読んでしまったら映画やアニメで泣けなくなるかも知れないのである。
「泣けるアニメ」というものがこの世には存在する。オレは映画館で『さらば宇宙戦艦ヤマト』を観て泣いた。受験生の時に『ペリーヌ物語』をテレビで視聴して泣いた。観ている人を感動させ、泣かせることができることが優れたアニメの要素である。ジブリの『風立ちぬ』も、『思い出のマーニー』も観た人を泣かせるアニメである。映画『グスコーブドリの伝記』がどうしようもなくダメなのは、その大切な要素が作品から省かれてしまっていたからである。オレはヤフー映画のレビューの中でこの映画のダメなところをかなり指摘した。杉井ギサブロー監督にちゃんと作り直して欲しかったのである。もしもオレの想定したようなエンディングにしていれば観客が全員泣くことになったのである。
オレは『鬼滅の刃』を観て泣きたい。だからコミックを読むことを敢えて避けようと思うのだ。映画とアニメが全部終わるまでには相当な年月を必要とするだろう。もしかしたらその前にオレの寿命が尽きる・・・なんてことはまだないと思う。逆に言えば今オレが80代とかならば、死ぬ前にちゃんと読んでおこうと思ってコミック全巻読むに決まっている。高齢の鬼滅ファンには早く読めと言いたいのである。
まあそういうわけで早くアニメと映画をじゃんじゃん制作してくれよと思うのである。おそらくアニメと同時進行でその先の映画制作は進んでいるのだろう。とても楽しみなのである。
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