2021年02月08日(月) |
中抜きを許すな! |
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日本の主産業は中抜きである。国がなんらかの業務を民間業者に委託する場合、実際の業務を行う会社と、受注した会社が違う場合が多い。新型コロナ関連で国が支給した持続化給付金事業の手数料が巨額であることが問題になったが、そうして「手数料」が表に出てくるのはまだマシな方である。多くはその中抜きの実態は明らかにされていないのである。ちなみに巨額の手数料を取りながら実態は実にお粗末で、WEB上で書面でしか審査されないために多くの詐欺師が国からゼニをだまし取るのに成功したことは広く知られている。
たとえば労働者の賃金を中抜きするのがシノギとなってるパソナは昨年度利益を8倍に伸ばした。大手ゼネコンは福島原発事故の除染事業を受注してそれを下請けに丸投げした結果として巨額の利益を手にしている。このような仕組みは日本の構造的欠陥であり、中抜きというのは広く日本に定着した習慣なのである。
維新の会のようにすべてを金儲けの観点で語るような連中が行政にかかわると、そこは中抜き業者の暗躍する世界となる。図書館行政に食い込んでぼろもうけすることを狙ってるTUTAYAは門真市の図書館を50億で受注したらしい。門真市長は維新の会に所属してるが、TUTAYAの図書館が日本中でさまざまな問題を引き起こし、廃棄予定の古本を公費で買わせるという錬金術がバレて問題視されてるのに、あえてその会社に図書館をやらせるなんてまともな人間には考えられないことである。
欠陥ぶりが話題になってるコロナ接触者報告アプリのCOCOAだが、発注した金額は3億なのに、なんと開発者には1600万円でその仕事が回ってきたらしい。間でいろんな連中が仕事もせずに中抜きして儲けてるのである。
公共事業の中抜きはもしも行政側の担当者がきちんと中味をチェックすれば摘発できるはずである。悪質なそうした業者は入札停止処分にすればいいわけだが、残念なことにそういう業者に限って公務員や首長と癒着していたり、談合を仕切っていたりするわけだ。たまに事件化されて報道されることもあるがおそらくそれは氷山の一角だろう。日本の主産業が「中抜き」なんだからそれはもうどうしようもないのである。
官僚が天下りのために作った外郭団体の多くは中抜きがその業務である。そういう組織をみんなぶっつぶせばかなり中抜きは減らせるだろう。日本にはそうした中抜きをシノギにしてる連中がどれだけいるのだろうか。原発の除染作業員の日給が10分の1になることを考えると、中抜きによって奪われている税金は国家の歳出の1/3くらいあるのかも知れない。それを減らすことができるならば、国家の財政は劇的に好転するだろう。国が教育や社会福祉にかかわる予算をどんどん削りたいのは、そこが中抜きしにくい部門だからである。
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