2021年02月07日(日) |
ハメこまれた人たち(ゲームストップ) |
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機関投資家やヘッジファンドにとって、零細個人投資家というのは養分みたいなものである。オレがこのブログの「ハメこまれた人たち」シリーズでたびたび描いてきたのもそういう哀れな個人投資家の投資行動についてである。しかし、個人投資家が束になってそうした巨大な存在に立ち向かおうとしたとき、うまく団結すれば成功することもあるのである。もちろんしょせん個人の集合体だから利益確定に走る個人が出ればたちまち戦線は瓦解する。そうした出来事がつい最近も起きていたのである。
アメリカに「ゲームストップ」というゲーム小売りのチェーンがあった。小型株は価格を動かしやすいのでしばしばヘッジファンドが株価を操縦して利益を出そうとする。個人投資家がSNSを通じてこの株に買いを入れた結果として株価は暴騰した。年末に17ドルだった株価は1月に入ると急騰することとなった。
そこに目を付けた空売り専門のヘッジファンドが次々と参戦した。実体のない相場に対してヘッジファンドが売りを仕掛けるのはお約束である。日本でもよくあることだし、そもそも最初の急騰劇の時点から仕込みである場合が多い。日本でもかつて「ガンホー」の株価が急騰するということがあったが、ガンホーの社長が孫正義の弟だったことを知った時にすべてが出来レースだったことをオレは理解した。
さて、せっかく買った株が巨額の空売りを仕掛けられて値下がりした。普通ならここで個人投資家たちは損切りして撤退するのがお約束である。しかし、多くの個人投資家たちはそこでSNSを使って広く連携して、さらに買いまくって株価を吊り上げ、ついにはヘッジファンドが損切りして撤退に追い込まれるという逆襲をしたのである。ゲームストップ株は一時345ドルに達し、1月29日の終値は325ドルだった。実に年末から20倍以上の値上がりを見せたのである。
日本から米国株に投資している多くの投資家もこの値動きに目を付けて参戦していたということは、SBI証券の米国株の買い付けランキング上位にゲームストップ株が入っていたことからわかる。
そのまま個人投資家の勝利になるかと思ったが、2月に入ると全く予想外の動きが起きる。それが証券会社各社による取引制限である。これは日本と同じ構図なのだが、SNSでつながって相場を操縦する個人投資家を警戒した証券会社と機関投資家の談合の結果だとオレは思っている。ゲームストップ株はたちまち暴落した。2月2日にゲームストップ株は前日比で60%安に近い90ドルにまで暴落してしまったのである。高値でつかんだ個人投資家は多額の含み損を抱えることとなってしまった。
日本でもかつてライブドア株が株式分割をしつつ急騰して話題になったことがあった。しかし、堀江社長が粉飾決算の疑いで取り調べを受けた段階でマネックス証券の松本大は突如ライブドア関連銘柄の信用取引における掛け目をゼロにするという一方的な通告を行い、結果としてライブドア株の暴落を引き起こした。相場を終わらせたのが証券会社側の一方的なルール変更だったという点で両者の構造はよく似ている。証券会社が個人投資家をただの「相場の養分」程度にしか思わず、常に強者の利益を優先する構図は日本もアメリカも全く変わらない。
証券会社は大口の投資家には損失補填するが、個人投資家はゴミ扱いである。オレはそういう構造にいつも腹を立ててきた。圧倒的な情報量を持つ強者の前では個人投資家は最初から勝ち目がない。だからSNSで団結して戦おうとしたのである。それをルール変更でぶっ壊したのがアメリカの証券会社連合なのだ。
今、日本の大手証券会社には巨額の手数料が転がり込んでいる。それは日銀がせっせとETFを購入しているからである。コロナ禍とも景気とも無関係に証券会社はボロ儲けしているのだが、その理由を「リモートワークが増えて在宅で取引する人が増えたから」などとごまかしている。本当は日銀と証券会社がつるんでいるからである。おそらく証券会社からかなりの政治献金が政界に渡っているのだろう。
官製相場はいつかは終わる。それは大勢の個人投資家が完全にハメこまれた時である。それはいますぐやってくるのか、3年後か5年後かはわからない。ただ必ずその時が来ることは間違いない。オレはその終わりのタイミングをつかんだら全力で空売りして人生最後の大勝負を仕掛けようと思っている。超豪華老人ホームに入ってもおつりがくるような財産を築くことができるだろうし、そのゼニを慈善事業に使うのも悪くない。オレが恐れるのは、このようなヤバい記事を書く危険人物としてオレが官邸の命を受けたヤクザに消されることだけである。
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