2021年01月21日(木) |
受験クラスターを防げるのか? |
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2月になると大学受験のための大勢の受験生が東京や大阪といった大都市にやってくる。その期間のホテルはどこも大量の受験生がいる。1979年にオレが大学受験をしたとき、貧乏人のオレはなんと前日に東山ユースホステルに泊まって受験するというありえないパターンだったわけだが、まともな受験生たちはちゃんとホテルに泊まっていた。JR京都駅近くのホテルが1泊7000円で合格弁当付きという受験生パックを商品化していて、そいつらは京都大学の正門の所にホテルが仕立てた観光バスで乗り付けていた。ただ、その受験生パックの利用者の合格率はさほど高くなく、高校で同じクラスだった人も落ちたのである。すばらしい環境で受験した級友が落ちる一方で、ドミトリー形式のユースホステルというおよそ受験勉強に向かない宿を選び、しかも前日夜には「宇宙戦艦ヤマト」というアニメを視ていたオレが合格するわけだから試験というのは非情なものである。
今年の受験生はどんなホテルに泊まり、どんな戦略を立てているのだろうか。京都や東京という大学の多い街のホテルは受験生の宿泊でかなり混乱しているはずである。部屋で勉強するのに向いていることを売りにしているホテルなどはあるのだろうか、ビジネスホテルの机は狭くて勉強するにはとても不便である。ついつい有料TVでアダルト放送を見てしまう受験生もかなりいるだろう。その結果さらに悶々として落ちることになる馬鹿も絶対にいるはずである。それがいわゆる「自己責任」というヤツである。
それはそておき、そうして東京や京都、大阪などの新型コロナウイルス感染拡大地域に行くということは今の状況から考えるとかなりのリスクである。もちろん受け入れる大学も感染対策を徹底しないといけないので大変だ。横浜国大のように個別試験をやめてしまう大学が出てくることも納得できる。北海道大学とか、試験日直前に寒波がやってきて飛行機が飛ばなかったら受験生はどうやって北海道入りすればいいのか。津軽海峡を泳いで渡るわけにもいかないし、その時はもうどうしようもないのである。
おそらくどこかの大学で確実に「入学試験クラスター」は発生するだろうし、東京で市中感染することも防げないだろう。田舎者の受験生の中には受験の時に吉原とかススキノに繰り出すとてつもない馬鹿もきっといるはずだ。そこで誰かと濃厚接触して新型コロナウイルスに感染することになり、多くはそのまま無症状で地元へ帰ってくるのである。
1月はじめの感染爆発はクリスマスと忘年会が主原因だったとオレは思っている。そして3月に確実に発生する感染爆発は受験が理由である。この受験クラスターによってせっかくの緊急事態で少しだけ抑え込んだ感染者数が爆発的に増加するというのがオレの憶測なのである。
かといって入学試験を実施しないわけにもいかない。昭和44年に東京大学の入学試験が流れたために多くの受験生が代わりに京大を受験し、その結果として京大の価値観と相容れない変な奴が入学してきたというあの悲劇を繰り返してはならない。共通テストはむりやり実施されたわけで、入学試験もリスク覚悟でやっちゃうしかないのだ。絶対に中止できないのだ。
新型コロナウイルスの感染拡大を止める術はない。たった一つ方法があるとすれば国民全員に2〜3か月引きこもれるくらいのゼニを与えて、生命を維持する以外の最小限度の活動以外を休止させるしかないのである。冬眠政策である。それを実行しつつ、無症状感染者の発見を全力で行うしかないのだ。
軽症の感染者を収容するホテルがなくて自宅療養するしかないという。どうして全館を提供して国からゼニを受け取るというホテルが増えないのか。隔離に応じたら一日いくらというふうに日当が出る台湾のような仕組みにできないのか。
確実に起きる受験クラスターを前に、オレは自分の担任するクラスの生徒の無事を祈るしかないのである。
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