2020年11月03日(火) |
オレは維新の会を支持しない |
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大阪市の存続か否かを問う住民投票は、僅差だが存続派の勝利に終わった。大阪市の財源をむしり取って府が自由に使えるようにしようという維新の会の野望は打ち砕かれたのである。反対票を投じたのは子育てや介護などの行政サービスの恩恵を受けている女性層が多く、賛成票は何も考えてない30代〜40代の男性が多かったという。地域的には維新のせいで基幹となる病院がなくなって大迷惑した住吉区の住民が圧倒的に反対票を投じる割合が高かった。
オレは維新の会の「改革」という言葉に騙されてきた。行政の無駄を省き、無駄に使われる税金を減らし、自治体の抱える借金を減らすという方向は正しいと思っていた。しかし本当にそれでよかったのだろうか。自治体の職員を減らし、どんどん正規職員を非正規雇用(大阪市の窓口業務はパソナの派遣社員が担当)に置き換えることが果たして正しいことなのだろうか。維新の背後には竹中平蔵がいて、その狙いが「この世から正社員を無くし、企業はいつでも労働者のクビを切れるようにする」ということだったということを知ったオレはとうてい維新を支持するわけにはいかないということに気づいたのである。
年功序列で賃金が上昇していく日本型の雇用慣行というのはもはや世界の潮流から完全に外れてしまった。そうなると企業は人件費を抑えるためにいつまでも安く使い捨てられるような人材を求めるようになる。しかし、オレは日本型の雇用慣行が間違っていたとは思わない。給料が上がっていくからこそ人は安定した生活設計ができたし、家を買うために35年ローンとかが組めたのである。
雇用が不安定になる人を増やすことが「改革」であり、それに反対する人は「抵抗勢力」と言われる。市民を分断し、一部の人たちへの憎悪を煽る。このような手法がまるで正しいことだと我々は思われてきたのだ。
「公務員は楽な仕事でたくさん給料もらえていい」
と多くの人が思っている。維新の会はそうアピールすることで市民の支持を集め、橋下徹は大阪府知事に当選した。松井一郎は大阪市役所のことを「中之島一家」と呼んで敵視した。そのような扇動が果たして正しいことだったのだろうか。
そもそも大阪をダメにしようと思っている公務員がいるのだろうか。多くの公務員は自らの仕事に誇りを持ち、自分の職務を果たすために頑張っているのではないか。教員たちは日々発生するさまざまなことの対応に追われつつも、常に生徒一人一人の将来と向き合って仕事に打ち込んでいるのではないか。どうしてその公務員たちの待遇をどんどん悪化させ、給料を削ることが正義なのか。
住民投票のために巨額の税金が無駄に使われた。大阪市、大阪府の公費によって維新の会は自党の宣伝を行い、吉本興業と組んで無知な若者やお年寄りを維新の支持層に組み込もうとした。そんなことは政治には無関係なのに「吉村市長カッコいい」などとミーハーに思わせ、キャラクターグッズを販売して選挙での票につなげようとした。オレはそういう手法に断固反対する。
維新の会がやったことは「改悪」であり断じて「改革」などではない。自治体が支出した人件費はそのまま市民の購買力につながって景気をよくするのである。給料の少ない人を増やしてどうして社会がよくなるだろうか。
本当にやらなければならない政策は教員の給料をどんどんUPすることだったのである。待遇の良さを求めて日本中から教員志望者が大阪に殺到するような状況を作り出さなければならなかったのだ。大阪市の公務員は待遇がいいとアピールして他の地域から優秀な人材を集めることだったのだ。維新は意味不明な審査基準の公募で怪しい人材を起用し、その中には不祥事を起こす者が続出した。思い付きでそんなやり方を決めた連中は誰も責任を取らなかった。もう維新政治には「NO!」を突き付けよう。
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