大リーグから帰ってきて巨人と契約していた岩隈久志が引退を発表した。結局2年間巨人では登板の機会がなかったのである。故障が治らなかったとはいえ、高給をもらいつつも働かなかったことは事実であり、巨人は全く投げられなかった岩隈に高年俸を払ったのである。オレは阪神ファンとして岩隈に拍手を贈りたいのである。よくやった岩隈、よくぞ巨人軍からゼニをむしり取ったと。
巨人がゼニの力で他球団の主力選手を強奪し、その選手が働くとなんだか気分が悪い。広島を裏切ってゼニを選んだ丸なんか大嫌いである。彼はファンよりもゼニを選んだのである。ゼニか自分を応援してくれるファンかどちらが大事かと言えばもちろんゼニが大事なのだが、そこでやっぱり「ファンが大事」と言ってほしいのが広島ファンの心情である。もっとも阪神も広島から金本や新井という主力選手を強奪したわけで、もしも金本がいなかったら2003年と2005年の二度の優勝は100%なかった。だから巨人のFAを批判する資格はないのだが、それでも文句を言いたくなるのである。
阪神のFAというのは自チームに足りない戦力を獲得することが目的なんだが、巨人のFAというのはどちらかというと他チームの戦力を削ぐことが目的である。「丸に打たれたくない」ということが嵩じて「丸を広島から引き抜けば、もう打たれることはない」という考えたのである。
FAで巨人に行った選手に活躍されたくないという心情は、FAで巨人に行った選手が活躍しなかったら嬉しいというひねくれた気持ちにつながる。中でも全然働かなかったというのはもう最高である。そういう意味では「岩隈ナイス」と言いたいのである。本当ならそのゼニは有効に他の選手に回せたかもしれないのだ。
さて、岩隈は自分の肩の状態をどれくらい把握していたのだろうか。もしかしたら「もう無理」とわかった上で巨人と契約したのだろうか。それともまだリハビリして故障を治せると思っていたのだろうか。
そのあたりは本人にしかわからないことである。巨人は岩隈を医師に診断させた上で獲得を決めたのだろうか。それとも岩隈は診断書でも出したのだろうか。そこも第三者には全くわからないことである。
年俸泥棒と言えばその昔、古い阪神ファンならだれもが覚えてる山沖之彦という選手がいた。1994年にオリックスからFAで阪神に入団した山沖は結局一度も投げないまま翌年のオフに自由契約となった。実はオリックスは山沖に戦力外通告する予定だったようで、そのポンコツをうまく阪神をだまして売りつけた詐欺商法である。阪神がこのような被害を受けるのは許せないが、巨人なら「ざまあみろ!」と喜ぶのが阪神ファンである。
岩隈はこれからどうするのだろうか。どこかの球団で投手コーチになるのだろうか。それとも解説者の道を進むのだろうか。巨人から2年間でいったいどれだけ受け取ったのだろうか。オレはそれが気になるのである。
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