2020年09月13日(日) |
「がんばった人」とは何か? |
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「がんばった人」とは何か。政治家が所得税の累進課税を緩和し、高額所得者を優遇するときによく語るのは「がんばった人が報われる社会」というセリフである。そして多くの有権者はそのことばを全く違った意味で受け取る。一般国民の想像する「がんばった人」というのはスポーツや勉強でがんばる人、職場でしっかりと自分の仕事を果たす人、ボランティアで公共の場所の清掃に励む人、交差点で通学中の子どもの交通安全のために見守ってる人などを想像するだろう。そういう人たちが報われるのはよい社会である。しかし政治家の発言は全く意味が違うのだ。政治家の意図する「がんばった人」というのは大企業の社長さんとか起業して富を築いた人とか、新しい仕組みを発明して巨額の利益を得た人とかである。そして「報われる」というのは、そうして得た巨額の富に対して、税金をできるだけ払わずに済むということである。
オレはたくさん税金を払っている。それはもしかしたら政府からの懲罰かも知れないのである。オレのように政府から逆らう人間からはとことんむしり取ってやるということである。確定申告書にわずかなミスがあれば修正申告させられ、10万近いゼニを追加でむしり取られる。とにかく税からは逃れようがないのだ。買い物をすれば消費税をとられ、ガソリンを入れればガソリン税をとられる。年間の買い物が200万円とすれば20万円消費税を払ってるということになるし、年間のガソリン代が20万円とすればガソリン税と消費税の合計はその半分くらいだろう。もちろんクルマ関係では他にもさまざまな税金をとられている。
オレはいろんなことに対して「がんばっている」という自負は一応ある。しかし、オレは特に報われているわけではない。それはオレが政治家が語る「がんばっている人」の定義にはあてはまらないからである。たぶんオレは政府や官憲から見れば「ネット上で反政府的な言動を続ける不逞の輩」という定義があてはまる。報われるどころか許せない存在なのである。
政治家の言う「がんばってる人」というのは例えば竹中平蔵のような口入屋の元締めみたいな輩のことなんだろう。いろんな卑怯な仕組みを考え出してはそのたびに巨額のゼニを手に入れる。そういう政商ができるだけ税金を払わずに利益を確保できるような仕組みを作ることが「報われる」ということなのだろう。
政治家の定義する「がんばった人」から税金を取らなかったらどうなるのか。その分の税金は代わりに貧しい人から消費税のような形で広く浅く搾取することになるのである。スガ官房長官が口にした後であわてて撤回した「消費税値上げ」という本音は、つまり「がんばった人」を優遇するために必要なことなのである。
今の10%の税率で国民一人当たり消費税を年間に20万円払ってるとしよう。オレの主張は消費税を廃止する代わりに全員の所得を200万円増やして、そこから一割を所得税として徴収することで国の歳入をそのまま維持するということなのである。
法人税を高くすれば企業は日本から出ていくと言われる。では安くしたら中国や台湾の企業まで日本に移転してくれるのかと言うと否である。法人税をどれだけ納めているかが企業をはかる物差しであるという価値観に変わってほしいとオレは思っている。トヨタ自動車は自社の優れている点を納税額で語ってもらいたいのである。利益が少なく税金を少ししか払えないという点を企業は恥じてもらいたいのである。そうした価値の転換を起こしてほしいのだ。その先にこそ日本の輝かしい未来があるとオレは信じている。このまま進めば日本の未来には破滅だけが待っている。
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