2020年07月29日(水) |
緊急避妊薬はなぜ認可されないか? |
携帯用URL
| |
|
海外では普通にドラッグストアで購入できる緊急避妊薬が日本では医師の処方がないと使えず、しかも72時間以内に服用しないと効果がないために間に合わないという状況が起きている。認可しないことに関して医師会側はいろいろと理由を挙げているが、そんなものはみんなでたらめである。もしも認可されて普通にドラッグストアで緊急避妊薬が買えるようになれば、人工妊娠中絶という保険診療外で行われる行為が激減してしまい、医師のシノギが減ってしまうからだとオレは想像している。妊娠中絶は年間に100万件以上行われているらしいが、実数はもっと多いのかも知れない。一件あたり10万円とすると実に1兆円規模の医療行為なのである。それが「自由診療」の中で行われているのだ。
また一部の産婦人科医の中には妊娠初期の方をわざわざ待機させて、医療機関に支払われる出産育児一時金目的で4か月以降の中絶を推奨している医師もいるらしい。金儲けのことを第一に考えている連中が実に多いのである。
出産したときは、1児につき42万円の※出産育児一時金が医療保険から受けられるという制度がある。流産や死産、人工妊娠中絶の場合も、妊娠して4ヵ月(85日)以上であれば出産として扱われ、一時金を受けられる。これは「産科医療補償制度」に加入している分娩機関で出産した場合だが、この制度に加入していない分娩機関で出産した場合、そして妊娠12週以上22週未満の死産・流産の場合は39万円が支給されるという。これは医療機関に直接支払われる。
これが医療機関の利益につながるとすれば、もしも緊急避妊薬が多く使われるようになって妊娠中絶が減れば医療機関にとっては打撃なのである。
日本で腎臓移植が増えないのは、透析患者を増やしたほうが病院の売り上げが増えるというからくりがある。もっと腎移植を増やそうとした万波医師に対して、医師会が巨大な権力で押しつぶしたという事件が過去にあった。
患者や母体のことを第一に考えるのではなく、医師の都合や病院の利益優先に考えられた日本の医療制度の弊害がこんなところにも出ているのだ。政治家の中には医師出身者も多いので、どうしても「業界の利益を守る」方向でしか行動しないのである。
緊急避妊薬が安易に使用できるようになることで、性病の蔓延や性行動の乱れを指摘する人もいるが、オレはそうは思わない。むしろこのような選択肢が増えることで女性が自分の身を守ることができる方法が増えると思っている。
ただ、この緊急避妊薬は個人差はあるが副作用も大きく、決して女性にとって手軽に利用できるものではないということだ。もしも避妊しないで行為に及び、「あとで薬飲んどけよ!」とほざくクソ男がいればさっさと別れたほうがいい。そんな思いやりのない男は最低だ。男性はきちんとコンドームを使用すべきである。コンドームを使わない男というのは、日本刀を鞘に納めずに抜き身で振り回してるアホと同じである。そんなヤツは人間として駄目である。
正しい避妊が広まらない理由に関してはオレはAV(アダルトビデオ)の影響も大きいと思っている。AVというものは普通は避妊具を使わない。いわゆる「中だし」や「顔射」という行為が基本である。それが性病の蔓延するリスクや、ピルの服用という形で女性にだけ避妊の義務を負わせるという間違った性モラルの氾濫につながっているのである。
オレはAVの中で男優がきちんとコンドームを装着することを推奨する。そして「正しい行為とはこうあるべきだ」と若者に啓蒙するべきである。法改正を行い、コンドームを装着していないで行為を行ってるものは発売禁止などの処置を行うべきだ。
その一方で女性の権利としてこの緊急避妊薬をドラッグストアで販売することを認めるべきである。妊娠するかしないかの決定権を女性が持つことは当然である。コンドームは避妊だけではなくて性感染症予防の観点もあるからオレは推奨したい。
←1位を目指しています。
前の日記 後の日記