オーストリアの公用語はドイツ語である。しかし、ドイツの通貨はドイツマルクで、オーストリアはオーストリアシリングだった。オレはEU統合前のヨーロッパを1988年に旅行しているが、国境をこえると通貨が変わる。だから両替がけっこう面倒だったことを思い出す。同じ言語を使っていても、両国は戦後は別々の国家としての歴史を持って歩んできた。
第二次大戦の前に、ナチスドイツがオーストリアを併合した歴史を日本人はどれだけ知ってるだろうか。1933年にキリスト教社会党のドルフースが政権を握った。当時のオーストリアはキリスト教社会党とオーストリア社会民主党の二大政党があり、その対立から内戦状態になった。この内戦に勝利したドルフースは野党である社会民主党を非合法化して憲法を改正したが、1934年にオーストリア・ナチス党のクーデターで暗殺され、1938年3月12日にはドイツ軍が全土を占領し、翌13日に「アンシュルス」が宣言されヒトラーはドイツ、オーストリアを統一した。
オレがどうしてこの話題について触れたかったかというと、それは今の中国がナチスドイツよりも悪質だからである。習近平は現代のヒトラーであり、収容所で思想改造教育を受けさせられている新彊ウイグル自治区の人たちは、ドイツ占領下のユダヤ人と同じである。ナチスドイツが崩壊するまで世界はドイツのユダヤ人弾圧政策を阻止しなかった。今世界の政治家の中で、トランプ大統領以外に中国の政策を批判する人がいるだろうか。そのトランプも習近平から「内政問題に口を出すな」と一蹴された。中国共産党がウイグル自治区で行ってる民族絶滅政策は重大な犯罪である。しかし中国政府はそれを堂々と「内政問題だから口出しするな」と公言しているのだ。見捨てられて滅びを待つだけの新彊ウイグル自治区の人々の悲劇を世界は止められないのか。
中国は香港市民を弾圧し、同様に台湾を武力併合しようといしている。中国がナチスドイツならば、香港や台湾はオーストリアやポーランドに相当する。世界の各国は香港や台湾を独立国として承認し、中国の覇権主義に対して「NO!」を宣言しないといけない。国連は台湾の加盟を認めるべきだ。たとえ中国一国が反対しても、他の国はすべて中国に忖度せずに台湾や香港が国として国連加盟することを認めるべきである。
南シナ海では南沙諸島や西沙諸島に軍を送って一方的に占領した。反発するベトナムやフィリピンに対しては軍艦を派遣して威嚇している。この侵略行為はなぜ国連で問題にされなかったのか。たとえ中国が拒否権を発動し、同様に帝国主義独裁国家であるロシアが中国を支持するとしても、世界の良識派の国々は中国の軍事行動に対して明確に不快感を表明し、国連決議を出すべきだった。いくら独裁国家とはいえ、武力で自国の領土を広げる行為が「悪」であることは第二次大戦後の世界の共通認識のはずである。韓国の竹島占領、中国の南沙諸島強奪や尖閣へのたびたびの威嚇行為、このような不法行為は絶対に許さないという共通認識を世界は持つべきであり、ゼニで中国のしもべとなったアフリカの諸国がいくら中国を支持したとしても、日本は断固として中国に批判的な立場を貫くべきである。
香港や台湾が中国に侵略されてしまった時、次に侵略されるのは日本である。中国はすでにチベットを大虐殺の末に占領、支配してダライ・ラマ14世を追い出した。尖閣諸島には漁船を装った工作船がたびたび接近して日本政府を挑発している。軍事衝突が起きれば即座に人民解放軍は報復を名目に与那国島や宮古島を占領する計画なのだろう。その危機に気づいてる日本人がどれだけいるだろうか。
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