2020年03月21日(土) |
「蛍草〜菜々の剣」時代劇の楽しみ |
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NHKで放映されていた土曜時代劇「蛍草〜菜々の剣」を見終えた。民放がほとんど時代劇をやらなくなったので、今や時代劇はNHKばかりという状況になってしまったが、久々にいい作品に出逢えたと思っている。
内容について書くとネタバレになってしまうのだが、藩の財政上の不正を発見したばかりに非業の死を遂げた父の仇をいつか討ちたいと願う娘の役を清原果耶が演じている。奉公に出て女中として働き、その家の幼な子たちを守り育て、そしてお家騒動に巻き込まれた奉公先の主人のために必死で奔走する。彼女の健気な姿に周りの人たちも心を打たれ、いつしか多くの人に支えられていく。
父の仇が同時に自分が密かに思いを寄せる奉公先の主人を陥れた人と同一であることがわかり、御前試合で仇討ちを挑むという劇的なストーリー展開に、このドラマを観ている視聴者の方々は画面から目が離せなくなっただろう。
清原果耶演じるヒロインの生き方はまさに現代の我々が失ってしまった価値である。たとえ負ける戦いだとわかっていても、最後まで自分の意志を貫き、父の無念を果たすことの方が命よりもずっと大切だと彼女は戦いに挑む。その行動に心を打たれない人がいるだろうか。
かつての日本人にはこうした強い意志と心があった。義や名誉を重んじて、たとえ負けることが分かっていても戦場に赴いた多くの人がいた。楠木正成は湊川の戦いで勝てると思っていただろうか。その子である正行は高師直との四条畷の戦いに赴くときに如意輪寺に辞世の和歌を残し、過去帳代わりにそこに名を記した。
命は確かに大切だ。しかしこの世には命よりも大切なものがある。それは正義であり、大切な人から受け継いだ意志を貫くことである。大切な誰かのために必死で戦うことである。義を捨て、誰かを犠牲にして逃亡する者はただの卑怯者である。自己の保身のために正義を踏みにじるような連中は生きている価値がない。赤木さんに文書改竄の責任を押し付け、自殺させた近畿財務局の連中はそういう外道どもの集まりであった。いつのまにか日本の官僚集団はこのような卑怯者の集団になってしまったのだ。安倍晋三の走狗となることで自分たちの誇りを失ってしまったのだ。
誰も総理大臣の犯罪を追及しない。その周辺の人物も分け前に群がり、警察や検察も本来の職務を忘れて外道政治家のパシリとして行動している。どうしてそんなに情けないことになったのか。日本はいつからこんなに劣化してしまったのか。
毎週土曜日のこのドラマを楽しみにした人が、父の仇を討ち藩内の不正をただすために真剣勝負での御前試合に挑むヒロインの姿に涙したならば、今政治という世界で起きているとてつもない悪に対して、夫の無念を晴らそうと戦いを挑み、その遺書を公開した赤木さんの妻の戦いを応援してほしい。そこで政治家に忖度した判決を出すようなクソ裁判官は法の番人ではなく安倍晋三の番犬である。
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