2020年03月11日(水) |
大阪市立大の入学金のワナ |
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大阪市立大学は大阪市民の税金によって運営されている公立大学である。そのため大阪市民の子弟が入学する時は「入学金割引」という特典があり、38万2000円の入学金が22万2000円になる。なんと16万円もの値引きがあるわけで、そういう理由から受験する大阪市内の受験生も多い。
しかし、この大阪市民でありながらこの割引システムを利用できない方が毎年多数出るのである。それは「姑息」というか「卑怯」というか、「不親切」というか、その不思議な割引システムにあるのだ。
たとえば同じ公立大学である大阪府立大学の場合、合格者に書留で送られてくる入学用の書類の中には振込用紙が2種類入っている。大阪府民用と、それ以外用である。受験生はその2通ある振込用紙のいずれかを選択して振り込むことになる。
だったら大阪市立大も同様の仕組みにしてくれればいいのだが、なぜか大阪市立大の合格者に送付される封筒の中には、振込用紙は38万2000円のものしかないのである。そして書類を詳しく読まず、合格の喜びにうかれていて何も考えてない受験生はそのまま38万2000円を振り込んでしまうのである。
大学側の文書にはこのような一文がある。
一度振り込まれた入学金は返金いたしません
つまり、本来なら割引があるにも関わらず、うっかりそのまま振り込んでしまった受験生はその差額を返してもらえないのである。そのまま大学に寄付するしかないのだ。
じゃあどうすれば大阪市民は16万円の返金を受けることができるのか。その方法はとても面倒なのである。指定された3日間の13:00〜17:00の間に、直接大学の窓口に出向いて、38万2000円の振込用紙と、大阪市民であることを証明する住民票を持参して、割引後の金額になった振込用紙と交換してもらわないといけないのである。なんとも面倒な手続きなのだ。
もしもそのことに気づかなかったら、あるいは忙しくて住民票を取りに行くことができずに窓口に行けなかったらどうなるか。その場合はもうこの手続きをあきらめるしかないのである。
大阪市立大学に子が合格したという方からこの仕組みを聞かされてオレは唖然としたのである。もしも気が付かなかったらアウトなのだ。実に不親切な仕組みなのである。
もっともこの手続きのことに関しては事前に明記されているので、きちんと書類を読んで理解して落ち着いて準備していればいいのだが、すべての受験生の親がそこまで対応できているわけではない。うっかりしている親もいるはずだ。そういう意味では「気づかなかった親」にとってはかわいそうな仕組みなのである。
まあ今回の題名に「ワナ」という少し悪意のある言葉を使ってしまったのは少し厳しかったかもしれないが、オレははっきり言って少し腹が立った。大阪府立大のように最初から2通入れてくれていれば済む話である。市民向けとそれ以外向けというようにすればいいのだ。
まあ大阪府民に比べて市民の人口は少ないし、大阪市立大に入学する受験生の中で大阪市民というのはあまり多くない。実際はいろんな地方から受験しに来るのである。
これから子弟に大阪市立大学を受験させようとしている方々は、このワナに引っかからないように注意したほうがいいのである。「合格おめでとう」の楽しい気持ちが、うっかり何も疑わずに38万2000円振り込んでしまってから「しまった!」と気づかされてショックを受けることになるとしたら何かせつないのである。
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