2020年01月23日(木) |
「なごり雪」はもう降らない |
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河津桜がもう開花してるという。冬が無くなったと思ったらもう春が来ているのである。雪も降らず、氷もはらないうちに春が来てしまうのである。日本からはついに冬がなくなってしまうのだろうか。
このまま春になるということは、梅や桜の開花が早まるということであり、そうなると春の行楽シーズンの予定が大きく変わるということになる。例年なら学校の春休みの時期に関西では桜の開花が重なったのだが、今年はもうとっくに桜は散っているということも考えられる。困るのは入学式の時に桜がないことである。毎年、オレの勤務する学校では正門前の桜をバックに親たちが記念写真を撮る。そのときに桜がないと絵にならないじゃないか。
スキー場にも雪がない。氷も張らない。冬というのに一日の最高気温は常に10度以上である。大阪も昼間は13〜15度くらいでこれは冬ではない。こんなふうにだらだらと「冬」という季節が終わるのだ。なんとも悲しいことである。
クルマで早朝に家を出るとき、オレの父親はトラックのフロントガラスにお湯をぶっかけていた。冬はそうして氷を解かさないとダメだったのである。オレも何度かお湯を掛けたことがあるが、これまでで数えるほどだ。しかし今は最低気温が0度を下回らないために氷なんか張らないのである。水道管が凍結して云々ということもないわけだ。学生時代に諏訪のユースホステルに泊まった時に、凍結防止にちょちょろと細く水を出していたことを思い出すのである。そうした工夫も不要なほどに冬は寒くなくなってしまったのである。地球温暖化は確実だ。この30年間で平均気温の上昇は5度くらいあったような気がするのである。世界平均ではもっと小さな変動になるのかも知れないが、オレの感覚では最低でも5度は上がってるだろう。
春といえば大学受験の季節である。共通一次元年の受験生のオレは、京都大学での二次試験の日に雪が降ったことや、東山ユースホステルから1時間近く歩いて試験会場に向かったこととかを覚えている。あの頃は本当に3月は寒かった。4月に入ってから雪が降ることもあった。今なら考えられないことである。
イルカの「なごり雪」の歌詞では3月に東京で雪が降っている。もしかしたら現代の若者はその歌詞に感動することもなく「ありえねえ!」とかつぶやくのかも知れない。なんとも悲しいことである。
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