2019年12月29日(日) |
受験を舐めてるキミへ |
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もうすぐ大学入試センター試験である。全国で多くの受験生がその試験のためにお正月も勉強に励んでるわけだが、もちろん勉強が足りずに志望校に届きそうもないと嘆いている受験生も多いだろう。志望校に対して模試でA判定やB判定をもらっている人はほんの一握りで、多数派の受験生はオレがここで雑文を書いているこの瞬間も必死で勉強に取り組んでいるのである。
さて、高校3年生や浪人生にとっては受験は目前だが、それ以外の高校生にとってはまだまだ入試なんてまだまだ先である。そういう生徒たちは二つに大きく分かれる。一方は謙虚に自分の不勉強を反省し、必死で取り戻そうとしている生徒たちである。地道に学習時間を増やして少しずつでも志望校に近づきたいと思っている生徒である。このような生徒たちはたとえ志望校には届かなくても、浪人して目標を実現する可能性が高いし、第一志望でなくても自分の進学先を努力の結果として前向きに受け止めることが可能である。
勉強を地道にコツコツやるためには、丁寧に問題を書き写し、ノートを作り、わからなかったところや解けなかったところを質問し・・・という感じでとにかく根気が必要だ。英語の勉強に取り組むときには、音読もリスニングも作文も英文解釈にも、すべて丁寧に取り組むことで総合的な英語力が向上していく。膨大な時間をかけてやっと結果が出るのである。一日に5時間も6時間も必死で家庭学習に取り組まないといけないのである。
さて、問題なのはもう一方のタイプである。完全に受験を舐めている生徒が存在するのである。これまでほとんど勉強してこなかったので、そもそも勉強とはなんであるかがわかっていない生徒である。全然勉強していないくせに、他のまじめな受験生に対して「ダッセー」とか悪口を言う。ダサいのは馬鹿丸だしなおまえである。
そういう生徒の勉強の仕方というのはみんな驚くほど同じである。参考書をぱらぱらと眺めていたり、英語の単語集をただ眺めていたり、歴史の用語集をただ眺めているのである。そして15分も眺めていて疲れると「オレ、いまめっちゃ勉強したな」と自己満足するのである。ただ見ているだけだからすぐに忘れるのである。記憶容量が極端に少なく、他の受験生がギガ単位のHDDのように知識を蓄えてるのに、まだFD(フロッピーディスク)並みの記憶容量で立ち向かおうとしているのである。
そういう感じで勉強を舐めている受験生はFランク大学以外には合格できない。それが現実なのである。
中高一貫の進学校で東大や京大を目指していて、成績上位にいる生徒というのは毎日3〜4時間の家庭学習をずっと続けてきているのである。中学の間に毎日3時間×365日×3年間勉強すれば、実に3285時間も勉強してきているわけだ。その3年間をゲーム三昧で遊んできた生徒は、おそらく3年間でマイナスの学力を身に着けてきている。きっと中学受験の時に覚えた漢字をほとんど忘れているだろう。
これまでに延べ5000時間以上勉強した生徒に、全く勉強してこなかった生徒がどうやって勝てるのか。勉強以外のもので考えてみればわかるだろう。どんなスポーツでも素人が数年間トレーニングを積んだ選手に勝てるわけがない。きちんと勉強してきた受験生というのは丁寧に基礎トレーニングを積んだアスリートみたいなものである。そこに全くスポーツをしていない素人が勝てるわけがないのである。
一年後の大学受験共通テストで8割以上の得点を取るためにはどうしたらいいのか。「息抜きのためにゲームは一日1時間くらいやりたいです」と言ってる人は、そういう人でも合格できるレベルの大学に行くしかない。
オレは高校2年、3年の時は一日に6時間くらい勉強した。もちろん今ならもっと少ない時間で効率的に勉強できる受験生が普通だろう。今はさまざまな学習教材があるし、すぐれた予備校教師の授業を動画で観ることもできる。オレの時代は参考書や問題集という紙の媒体しかなかったし、英語のリスニングの試験もなかった。
オレの受験した時代に比べて18歳人口は6割くらいになった。入学定員が変わらないのだから昔に比べて東大や京大ははるかに易しくなっているのは事実だ。他の大学もみんな易しくなったのだろう。
オレの目には受験勉強を舐めているようにしか見えないお気楽な受験生たちも志望校に合格していくのだろうか。相変わらずゲームばかりして遊んでいたり、そもそも勉強する意味がわからないと言って何もしなかったり、勉強は嫌いだからしたくないと豪語する生徒たちも大学には入りたいという。なんて甘いのだろうかと思うが、実際に世の中は甘くて、厳しいと思ってるのはオレのような時代錯誤のオッサンだけかも知れないのである。だって国会議員や官僚はあんなにウソばかり言っても許されてるじゃないか。
そんな理不尽な世の中で、受験勉強なんかしてるのはもしかしたらダサい行為なんだろうかと、オレは自問自答してしまうのである。時代錯誤のジジイは現代の受験生から見ればただの「うるさいオッサン」でしかないのである。
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