2019年12月14日(土) |
故・中村哲さんに捧ぐ |
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アフガニスタンの復興のために尽力した中村哲さんが襲撃を受けて殺された。国家の功労者としてアフガニスタンでは国葬に準じた扱いだったという。遺体は日本に運ばれ、そして日本で行われた葬儀にどうして安倍首相は出席しなかったのか。きっと総理の心の中では芸能人との会食なんかの方が優先事項なんだろう。他に重要な用事もなかったのに、総理は中村哲さんの葬儀は無視したのである。
海外で活躍する多くの日本人がいる。難民の支援だったり、かんがい事業や植林だったり、井戸を掘る活動であったり、孤児のための学校や孤児院の運営だったりする。そうした無私の行為に対して、我々はどれほどのことを知ってるだろうか。TV番組で紹介されて初めて知ることも多いわけだが、名誉も地位も求めずにそうして活躍されている方のおかげで、近所のあの反日教育を行うおかしな国を除いて日本人は世界でリスペクトされているのである。
安倍首相のやるべきことはただ一つ、空港まで運ばれた中村医師の遺体を迎え、彼の死に対してただ哀悼の意を表明することだったとオレは思うのだ。内戦の起きている危険な国や地域で活動することの大変さを理解するならば、その崇高な精神に対して敬意を表しているということを世界中の誰にでもわかる形で示さないといけない。
アメリカや中国、ロシアのような軍事大国は世界中に武器を輸出して、その武器で多くの人が殺されても平気である。しかし、日本は戦後一貫として武器の輸出はしてこなかった。それが憲法9条を持つ国家のプライドである。世界のどの国とも違うのだ。日本は優秀な工業製品を世界に輸出して世界の人々の生活を豊かにしてきた。日本がこれまでしてきた「国際貢献」というものは、すべて平和の中で実現してきたものだ。
中村哲さんは灌漑のための水路を建設するために地元の人と一緒に泥まみれになって、自ら「重機」を操作して働いた。「銃器」を持ち込んで住民を殺戮するソ連やアメリカとは全く違う形で日本人のできる国際貢献のモデルを示してくれたのだ。
世界にはトランプ、習近平、プーチン、金正恩という武力による覇者を目指す独裁者たちがいる。このような連中に対して日本が示せることはただ一つ「正義」を示すことである。彼らの武力による覇権主義に対してはっきりと「NO!」と宣言できる国になってもらいたいとオレは思っている。「おまえのやってることは間違いだ!」と抗議できる国になってもらいたい。習近平に向かって「ウイグル自治区のイスラム教徒弾圧をやめろ!」と抗議できる国であって欲しい。
アメリカとソ連はアフガニスタンを代理戦争の場所にした。武器を大量に持ち込んで住民の命を奪ったり、土地から追い出して難民にしたりしたが、その混乱を収拾することはなかった。そこに住む人たちの生活を守ろうとして、彼らが自立できるように農業振興策を考えた中村哲さんの遺志を誰が継いでくれるだろうか。
自分たちが兵器をバラまき、戦争を起こして難民を生み出しながら、「人道支援」と称して食糧や物資を支援する欧米諸国の偽善を我々日本人は正しく理解しないといけない。そして「偽善」ではない真の善意を示すことが、日本のあるべき国際貢献の姿である。それを中村哲さんは最後に示してくれた。そのことを我々日本人は決して忘れてはならないのである。
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