2019年12月11日(水) |
上が腐ればみんな腐る |
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孔子は国家の三要素、「食」「兵」「信」の3つの中で、もっともいらないものは何かと問われて、「兵」と答えた。では残った二つの中で、どちらかをあきらめるならと問われて「食」と答えた。食料がなかったら国民が餓死してしまう。しかし孔子は「信」が無くなったら国家そのものが成り立たないと答えたという。
「信なくんば立たず」
(国民からの信頼がないならば、国家そのものが成り立たない)
これは政治を行うものが常に肝に銘じないといけないことである。政治家というのは国民の代表ではなくて下僕である。国家の代表というのは象徴である天皇陛下であり、政治家というのは国民から政治を任されただけであり、能力が低かったらすぐに取り換えのきく存在なのである。総理大臣の代わりはいくらでもいるが、国民というものを失えば国家そのものが成り立たないし、その国民の信頼を得られないということは、首相の資格がないということである。
政治家の不祥事や国家公務員の不祥事、教員の不祥事の報道を見ていて感じることは、そもそもこれらの不祥事の根本にあるのは総理大臣安倍晋三の不祥事である。それらは買収という選挙違反(公職選挙法違反)であり、ヤクザを使った選挙妨害であり、記録を改ざんせて官僚を自殺に追い込んだ殺人であり、政治資金規正法違反である。国家の一番上にある人間がとにかく不正のオンパレードなのである。
万引きを疑われたときに出せばいいのは、きちんと買いましたというレシートである。ホテルニューオータニでの前夜祭での疑惑を報じられた時に出せばいいのは領収書であり会計報告である。それらを出せないどころか、捨てたとかウソの言い訳をするとか、いったいこの男は何を考えているのか。嘘であっても巧妙に言い訳すればOKという国会答弁を見ていた子どもたちは、大人のそうした醜態を見ながら学習するのだ。「これでいいのだ!」と。
今の日本という国家はモラルハザードが極度に進行した状況である。もうどうしようもないくらいに道徳的に退廃してしまったのだ。だから上から下まですべて不正を行うようになったのだ。悪いことをしても罰を受けないし、巧妙にウソをつきとおせば逃げ切れるから。
これを食い止められるのは誰か。誰が猫の首に鈴をつけるのか。誰がヒトラーを止めるのか。「王様は裸だ!」と事実を指摘するのは誰か。残念ながら自民党内にも官僚にも側近にもそういう者は一人もいない。
海外ではモリカケ疑惑は「アベゲート事件」として報道されている。日本の政治家の腐敗ぶりは海外では笑いものになっている。そして、その政治を止められない国民もまた嘲笑の対象になってるのである。小泉進次郎にそういう役目を期待した人たちもいたが、大臣就任後に化けの皮がはがれてただの馬鹿だということがわかった。
税金を私物化して自分の選挙区の有権者に買収に使ったという前代未聞の事件を、自民党内では誰も批判しなかった。官僚たちは積極的に記録を抹消し、名簿をシュレッダーにかけた。目の前の犯罪者にしっぽを振って協力したのである。
記録を改ざんしたり消去した官僚どもがいつか。自分たちが良心を捨てて行ったその行動を恥じる日が来るだろうか。永遠に来ないとしたら、それは日本が破滅に向かって突き進む証拠である。
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