2019年11月02日(土) |
国語記述問題も中止にしてくれ! |
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2021年度入試から導入される予定だった英語外部試験が延期ということになったのをオレは歓迎している。4技能を重視するというその趣旨はいいと思うが、少なくとも公平性が担保できない状況では導入すべきではないというのがオレの主張である。また、それらの外部試験の高額な受験料は貧しい受験生にとってはかなりの負担になるだろう。1万とか2万と言われて簡単に誰もが出せるわけではないのである。
さて、英語外部試験が延期となった今、もう一つの問題を解決しないといけない。それは国語の記述問題である。そもそもどうやって50万の受験生の記述問題を短期間で公平な採点ができるのだろうか。どれだけ大勢の優秀な採点スタッフを集めるのだろうかと思ったらなんと学生アルバイトに採点させるという。ふざけるな!と言いたいのである。
定期試験で記述問題を出題するが、わずか200枚足らずの答案であっても採点基準を決めるまでにはかなり時間がかかるし、基準を決めていてもその基準以外の答案が出てくればまた一から新しい基準を作って、すでに採点した答案すべてに改めて目を通すことになる。そういうことの繰り返しなので本当に時間がかかるのである。
記述答案の場合、誤字や脱字は必ず減点する。しかし、それが誤字であるかどうかを学生アルバイトの貧弱な国語力で判定できるのだろうか。最近の大学生の漢字書き取り能力は驚くほど低いのである。アルバイト採点スタッフ全員に漢字検定準一級以上などという条件を課したら誰も来ないだろう。
誰にも判読できないようなへたくそな文字ならどうするのか。間違った文字とへたくそな文字は違うのである。どんなに読みにくくても、実際読むことが不可能なレベルであっても、誤字ではないという場合もあるし、いくら美文字であっても誤字であるということもある。たとえば「完璧」の「璧(へき)」の字を「壁(かべ)」と間違って覚えてる人は高校生の95%くらいである。だからその文字を書き間違えても気づかれないことが普通である。
受験生が50万人いて、記述問題の採点スタッフが1000人なら一人当たり500枚の答案を採点することになる。1000人の採点基準を完璧に合わせることなど不可能だし、500枚の記述答案の採点をきっちりと行うことができるのは、専門的に訓練を積んだハイレベルの採点者だけであり、そういう人を1000人確保するためにどれだけコストがかかるかわからないのである。たとえばオレを採点者で雇いたいなら、時給1万円は出す必要がある。時給1万とまではいかなくても、大学の教員クラスの人に報酬を用意するならば時給5000円でも失礼である。
センター試験がマーク式なのは、記述問題ではそもそも短時間に公平に採点できないからなのだ。そんなことは個別の二次試験で大学がやればいいのである。今でも難関大学とされるような学校は記述問題ができないと合格しないし、Fランク大学で記述問題を出題しても受験生にスルーされるだけである。
センター試験に国語記述問題を導入することで大切な「公平性」という原則が失われてしまう。だったら導入しないほうがいい。オレは絶対にそんな方針には賛成しないのである。
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