2019年08月27日(火) |
バス運転手の待遇向上を |
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朝日新聞で「バス運転手不足」のことが記事になっていた。運転手の平均年齢が上昇し、人手不足で運行数を減らさないといけないなどの状況で、正社員化や初任給UPなどの方法で人材確保に躍起になってるという。しかし、記事の中身を詳しく読んでいてオレは驚いたのである。
それは福岡県の西日本鉄道が初任給を1000円UPして182000円にするというくだりだった。何の技術もない中卒や高卒ではない。ちゃんと大型二種の免許を持っている専門職である。そういう方々に対してこの「初任給182000円」というのはあまりにも失礼な扱いではないか。
大阪では市バス運転手の給与が民間に比べて高すぎるという批判が起きて、結果的に給与が引き下げられるという暴挙が起きた。どうして安い民間の給与を上げるという発想はなかったのか。そもそもバス運転手というのは薄給でもいい楽な仕事なのか。決してそんなことはないはずだ。大勢の人の命を預かっている責任の重い仕事である。そうした仕事に対してその仕事に見合った報酬をしっかりと支払うことで人材を確保するのは当たり前のことではないのか。どうして大阪は間違った方向に進んでしまったのか。
労働者は連帯しないといけない。もしも高給をもらってる人がいれば。その人を引きずりおろすのではなくて、他の人たちの給与も上がるように交渉すべきではないのか。給与の高い人に嫉妬して下げさせることで得をするのは経営者側だけである。大阪で公務員の給与を下げたことでいったい誰が得をしたのか。それで民間の給与は上がったのか。否である。結局何も良いことは起きなかったのである。嫉妬なんてものを動機にして起こす改革なんてろくなものはないのである。
オレは車の運転が好きだ。そして日々日本の物流を支えるプロのドライバーの方々の高度な技術をリスペクトしている。鉄道輸送の相対的な比率をもっと上げていくべきだが、少なくとも日本社会は彼ら運送業界のドライバーたちによって支えられている。だからこそ彼らが良い待遇で働ける社会にしないといけないのである。
日本以上に宅配便の普及した中国では、宅配便業界で働く人々のさまざまな悲劇が起きている。悪質クレーマーのために自腹で商品を賠償させられる事件などが起きているという。日本でも宅配便の取扱量はこれからもっと増加するだろう。家に引きこもってかいものをすべて通販で済ませる老人も増えていくだろう。そうなるとますますドライバーを奪い合うという現象が起きることとなる。それなのにどうしてバス運転手への待遇がこんなに低いのか。
運転手の待遇を悪いままにしているのはもしかしたら将来の自動運転化を見越してのことだろうか。もしも路線バスなどが自動運転されるようになれば、大量のドライバーを解雇しなければならなくなる。今の状況はもしかしたら将来の自動運転技術の発達を想定していて「消えゆく職業」としてバス運転手を想定しているのかも知れない。
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