2019年08月20日(火) |
それはあおり運転ではない |
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あおり運転の末に相手のドライバーの顔面を殴ったということで宮崎文夫容疑者が逮捕されたが、繰り返し流される高速道路を蛇行するBMWの白いSUVを見ながらオレは思っていたのである。このどこが「あおり運転」なのだろうか。
あおり運転というのは後ろから車間距離を詰めたり、クラクションを鳴らしまくったりすることであり、前方でこんなふうに蛇行したり進路妨害するのはそれは「馬鹿運転」「アホ運転」「DQN運転」などと呼ぶべきである。それをなんでもかんでも一緒くたにして「あおり運転」と呼ぶのはあまりにも不正確である。
また、宮崎容疑者のやった犯罪はそもそもあおり運転ではなくて「暴行」「脅迫」「傷害」「殺人未遂」などである。だから今回はとりあえず「傷害罪」で起訴されるべきものである。危険なのは運転よりもむしろ車から降りて乱暴狼藉を働こうとして言いがかりをつけてくるこのDQN野郎なのである。
さて、世間では「あおり運転を厳罰化せよ」などと盛り上がってるが、そもそも「あおり運転」とは何かという定義が難しいのである。オレはへたくそなドライバーが横を走ってるだけでむっとすることがあるが、だからといって「煽られてる」と思うことはない。オレはずっと赤いスポーツカーに乗り続けてるが、オレが後ろにピッタリつくとなぜか道を譲ってくれるドライバーが多い。あおってるつもりはないのだが、もしかしたらオレの運転は前を走るドライバーからは「あおり運転」と勘違いされてるのかも知れない。
定義があいまいなまま「あおり運転禁止法」が制定されたとして、そしてオレの前を走るドライバーが勝手にオレの運転を「あおり運転」と感じて通報したらオレは逮捕されてしまうのである。こんな理不尽なことがあるだろうか。
何年か前のことだが、オレがT字路を右折しようとして青信号のうちにと加速した時、左側から信号無視の軽自動車のオバハンが突っ込んできて思わず全力でブレーキを踏まされたことがある。もしもドライバーがおれのような達人でなかったらオレのクルマの左側面にそのオバハンが突っ込んでいたことは間違いない。
もう少しで大事故になるところだったので、オレはその信号無視オバハンに対して猛烈に腹が立った。それで後ろからクラクションを派手に鳴らして抗議の意を示し、信号で止まった時にでも一言文句を言ってやろうと思ったのである。それで次の信号で止まった時にオレはクルマから降りて近づいたのである。するとそのオバハンは赤信号のままクルマを急発進させてそこから逃げてしまったのである。
オレはあくまでやさしく運転マナーを注意しようと思ったのである。オレのような善良な市民が暴力などふるうわけがないし、後ろからクラクションを鳴らしたのはあくまで相手の危険運転に対する抗議表明である。
ただそのオバハンのクルマにもしもドラレコが装備されていて、オバハンによってその場面の動画が編集され、自分の信号無視のところはカットして、後ろでクラクションを鳴らして怒ってるオレの動画だけをどこかに投稿されたら、オレは悪質な「あおり運転手」にされてしまうのである。
「あおり運転罪」を作らなくても、あの蛇行運転は「危険運転」と判定したらすむだけである。殴ったら「暴行」「傷害」、脅したら「脅迫」である。現行法で十分に対応できるものをわざわざ新しい法律を作らなくてもいいのである。飲酒運転で人を死なせたら「殺人罪」をただ適用したらいいのに、「危険運転致死傷罪」なんて余計な法律を作るから罰を受けない者が出てしまうのである。
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