2019年07月04日(木) |
市川市の公用車はテスラ |
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高級車というのはなんのために存在するのだろうか。まず考えられるのは金持ちの人が自分のステイタスにふさわしい車に乗るという場合である。ロールスロイスに乗るとか、天皇陛下が専用車に乗るとかはそういう例である。その次に考えられるのは、こだわりのあるクルマ選びをする人が、どうしてもベンツでないとだめだとか、ポルシェがいいとかいう場合である。
ただそういうクルマ好きが本当にそのクルマの価値が分かってるかどうかは疑問である。ポルシェの走行性能がすばらしいから運転したいというオレのような人間と、ポルシェに乗ってることをただ自慢したいというゲスとは違うのである。そして世間の高級車乗りというのはかなりの部分がゲスの方なのである。オレのようなこだわりのクルマ好きはごく一部なのである。
ただ、個人で購入する場合どうしても財布の中身と相談することになる。たとえばオレはロータスエスプリターボとかかっこいいなあと思ってるが、そんなものは高すぎるしオレの家に車庫からはみ出す。通勤にも不向きである。そういうわけで妥協して結局は「燃費」「維持費」「実用性」などで選ぶのである。個人の場合はクルマの値段はとても重要だ。
ところが世間には、クルマの値段なんか全く気にしない人たちがいる。ものすごいお金持ちで、それが1000万円でも200万円でも誤差の範囲内というレベルのお金持ちと、自分では一銭も払わずに他人様のゼニで買ってもらえる人たちである。後者はいわゆる「政治家」「自治体の首長」という連中だ。
知事や市長には公用車というものがあって、自分では運転しない。後部座席にふんぞりかえるために4ドアのわりと大型のセダンが選ばれることが多い。日産ならフーガ、トヨタならレクサスやクラウンなんかだろうか。
千葉県市川市の市長。副市長の乗る公用車が電気自動車のテスラになったというニュースをテレビで観た。どんな奴なんだろうと思っ市川市長である村越祐民の経歴を調べたが、民主党政権時代には衆議院議員で外務政務官も経験してるということだった。もと国会議員が今市川市長をしてるわけで、そりゃ国会議員の特権に比べれば市長なんてたいしたことないから、何か税金を自分のために使えるものはないかということで今回の公用車としてのテスラ購入を思いついたのだろうか。
副市長の乗るほうのスポーツタイプの方は、後部座席がガルウイングだった。ただあのようなドアにすると、天井の低いところには止められなくてけっこう不便なのである。ガルウイングのドアが開いてさっそくと降りてくるのはなかなかにカッコいいが、そういうのをしてサマになるのはトム・クルーズとかレオナルド・ディカプリオとかの映画スターであり、しかもディカプリオは確かプリウスに乗っていたはずである。
リース料の総額は一台当たり1500万円ほどで、これまでの公用車の倍近いという。国産高級車でなんの不便があるわけでもなく、どうしてそれだけの差額を市民の税金で負担させるのかオレにはわからないのである。せめて差額分は市長のポケットマネーで負担するとかならわからないこともないのだが、この村越というオッサンがそんな殊勝なヤツではないことは確かである。
オレがもしも市長になれば、公用車はホンダN−BOXとかにするだろう。まわりがよく見えるし、けっこう後部座席も広い。もしかしたら逆にニュースになって取り上げられるかも知れないが、オレはN−BOXを運転した時にほんとうにいい車だと思ったので選びたいのである。それは価値を評価しての選択であり、決してゲスな理由ではない。
市川市の市会議員たちは反対したという。当然の行動である。待機児童を減らすという成果を上げた村越市長にとって、自分の上げた成果はご褒美にテスラをもらうに値するということだったのかも知れないが、市長は命令するだけで実際の成果を上げたのは市の職員である。
民主党時代に大臣になったやつらにはゲスが多かった。宮城県知事を恫喝した松本龍というオッサンもひどかったが、人格が伴わないままにただ大臣のポストをもらって自分を勘違いした人間も多かったのだろう。この村越市長ももしかしたらそういうゲスの一人かも知れない。市民の抗議や疑問にたいして、テスラが必要な理由をきちんと理路整然と示すことができれば今回のように反発を招くことはかっただろう。
オレの住む松原市は道路も狭く、市の財政も貧乏なのでとてもテスラを公用車にできないのである。松原市の公用車はスズキ・アルトがふさわしいかもしれない。
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