2019年05月13日(月) |
大学なのに座席指定とは! |
携帯用URL
| |
|
松原市にある阪南大学ではこの4月から学生の座席が全席指定となっている。学生は講義が始まる前に自分の席がどこになってるかをスマホで確認して着席するのである。この仕組みを導入することで大学側も出欠管理が楽になるのである。
考えたらオレの学生時代、通常の講義では出欠管理など存在しなかった。学生は出るも出ないも全く自由だったのである。唯一、語学の授業のみ出欠がとられ、それも一部の学生は代返によって切り抜けていた。一人で何人もの代返を引き受けて声色を変えて返事してるやつもいたのである。また教授もそれを黙認していたのである。
時代が変わって、学生は学びの自主性を失う一方でFランク大学と呼ばれる入学試験がほぼフリーパスの大学が出現した。そこに入学する学生の中には大学生でありながら分数が分からないとか、中学校1年程度の英語がわからないというおよそ大学生に値しない者もたくさんいた。そんな学生に試験勉強させて単位を認定するというのは不可能だ。それで大学は「ただ教室にいればいい」という出席点を重視するようになったのである。
今は学生証のICカード化などで簡単に出欠管理ができる。いまに顔認証になって、学生は顔パスで教室に入れるようになるだろう。学生は机の液晶画面に表示された自分の顔を見て着席するようになるかも知れない。
ただ、阪南大のこの座席指定システムの導入の背景には、学生を自由に着席させると私語が多くなってまじめに講義を聴きたい学生が困るからという理由もあるらしい。実に困ったことである。
オレが大学生の頃、好きな講義はいつも最前列で集中して聴いていた。その講義で後ろのほうの席でしゃべってるカップルがいた。その話し声は最前列のオレにとってはどうでもいいことだったが、昔気質のその教授には許せないことだったようである。教授はそいつらに近寄って「悪いけどここはおまえらのデートの場じゃない。出て行ってくれ。そしてもう二度と来ないでくれ!」と言い放ったことがあった。かつての自由な京都大学でさえ、そういうことがあったのである。
ある短大で教えていたオレの友人が「昔は私語がやかましかったけど、今はみんなゲームしてるかメール打ってるから静かや」と語っていた。それが日本の大学や短大の状況なのである。
座席指定を導入した阪南大学、果たしてどんな教育効果が上がるのだろうか。オレは今後の成り行きに注目したいのである。
←1位を目指しています。
前の日記 後の日記