京都三大祭りの一つ、葵祭は毎年5月15日に行われる。なんとこの葵祭で行列に参加する男性が足りないのだという。オレは大学生の時にこの葵祭の行列のアルバイトをしているのだが、歩くだけでゼニがもらえる楽でおいしいバイトというふうに受け止めていた。ところが今はそのなり手が減ってるのだ。
まず、葵祭は毎年5月15日にやると固定されているのだが、それが平日に開催される場合大学生は授業を休まないといけない。そして15日が中止の場合は順延された16日に参加できないといけないのである。その条件をクリアできる大学生はなかなかいないのである。
最近の学生はあまり授業を休まない。昔の文系の京大生のように「ほとんど授業に出ない学生」なんてものは今は絶滅種なのだ。もっとも授業に出ているからといってきちっと授業を理解しているわけでもないし、熱心に勉強しているわけでもない。ただ教室の席に座ってるだけである。そんなやる気のない学生たちでもいちおう出席はしたいのである。だから人手不足なのだ。
しかも最近の学生は金髪にピアス、中にはタトゥ入れてるやつやモヒカンのやつなどいるわけで、そういう若者が平安時代の装束を着てもおかしいだけなのである。行列の中でも特に大切な役目である傘や沓(くつ)といった調度品を持つ「白丁(はくちょう)」役を務める男性が集まらないのである。
さて、この緊急事態に祭りをこれまで運営してきた「葵祭行列保存会」ではなんと一般市民からボランティア参加を募ることにしたのである。オレはこの「ボランティア参加」という言葉が気になるのである。ボランティアということは無給なのだろうか。少なくともオレが学生の時はバイト料はもらえたのである。観光客も増えていて祭自体の収益も増えているはずなのに、もしかして無給のボランティアになってるのなら言語道断である。集まらないのならバイト料を値上げするのが筋ではないのか。
葵祭はもうすぐである。必要な人材は200名なんだが、4月末の時点ではまだ1/3くらいしか集まってないという。それで今回は急遽市民参加を呼び掛けているのだという。どうかこの記事を読んだフリーターの方やニートの方で、葵祭に協力してくれそうな方がいればぜひ協力してもらいたいのである。
観光客として祭を観ることは誰にでもできる。京都に来さえすればそれは毎年可能である。しかし、祭そのものに自分が出るという体験を積んでもらいたいのである。それこそなかなかできないことである。自分が登場人物になるという形で祭に関わった経験というのは一生の財産である。どうしてそんな大切なことよりも授業を優先させるのか、ふまじめな大学生だったオレには全く想像がつかないのである。
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