2019年04月17日(水) |
eスポーツは真の格闘技かも・・・ |
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実際に肉体をぶつけ合う格闘技の世界ではなくて、eスポーツの格闘技ゲーム(格ゲー)の世界大会で優勝したのは、パキスタンの無名の若者だった。パキスタンでは今、街角のゲームセンターで、夢に向かってチャレンジする大勢の若者がいるのである。
オレが昔海外放浪した時、ポーランドの地方都市の街角で入ったゲームセンターにあった日本のゲーム機でじゃんじゃんハイスコアをたたき出すと、観客のポーランド人の若者たちから「ニンジャ、ニンジャ!」という歓声が上がったことを思い出す。はるか遠い異国の場末のゲーセンにまで日本のゲーム機が置かれていたのだ。
パキスタンでは格闘技ゲームの人気が高い。今年の2月に東京で行われた世界大会「EVO Japan」で優勝したのはパキスタンから来日したアルスランさんという若者だった。彼は「パキスタンには強い選手が、まだまだいる」と語った。それで日本からパキスタンの都市、ラホールに取材に出かけた方の記事を読んだ。なんとそこには、「ラホールの強心臓」「コンボの魔術師」「青Tシャツの神童」などと呼ばれる猛者たちがいたのである。
彼らはどうして強くなったのか。家にはパソコンどころかゲーム機もない。ゲーセンでのゲーム代は10ルピー(8円)程度である。そこで若者たちは「負けたほうがゲーム代を払う」という賭けゲームの世界で腕を磨いていたのである。強くなればなるほどゼニがかからなくなるのだ。そしていつしかスポンサーがついて、海外に出かけて大会に出場できるようになる。そんなパキスタンドリームの世界がパキスタンの若者にあったのだ。努力によって強くなりそして栄光をつかむという夢のようなことが、eスポーツの世界で実現できるのである。
たかがゲームと思ってる人がまだまだ世間には多いだろう。だからスポーツを五輪の正式種目に採用するには多くの高いハードルが待ち受けている。肉体ではなくて手先の器用さと頭脳を戦わせるゲームは果たしてスポーツなのか、そのあたりは異論も多いだろう。しかしそこで戦ってる若者たちはみなそこに人生を賭けているのである。オレは無名の若者が自分の努力によって頂点に上り詰めていくそのストーリーに感動するのだ。
どうか日本のゲーム好きの方々は、eスポーツの普及と、そうして貧しい若者が成功をつかむストーリーに協力してほしい。彼らが世界で活躍することが、同時に日本のゲームの文化を世界に広めることに役立つのである。セガやコナミといった大手企業が、パキスタンなどの発展途上国のの若者を支援する仕組みができればいいのにとオレは思っている。安倍首相もクールジャパンを日本の世界戦略と考えるならば、この格ゲーの世界のようなことをぜひとも知ってもらいたいのである。
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