2019年02月24日(日) |
映画「翔んで埼玉」は最高だ! |
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映画館で「翔んで埼玉」を観た。鑑賞しながら何度か思わず声を出して笑ってしまった。あまりにばかばかしいその内容の悪ノリぶりにもう笑うしかないのである。なんでここまでふざけた内容で作ることができるのか。よくぞここまで本気で全力でおバカ映画を作り上げたなあというその意欲をオレは買いたいのである。
東京都民が埼玉県人を見下して差別する気持ちがオレにはわからない。なぜか。大阪の人間、特にオレのような河内のオッサンには、自分の住む土地以外の地域を見下すという価値観が存在しないからだ。大阪の中でも特に民度が低い南河内というどうしようもないカオスの世界でオレは育った。大阪は北から上中下に分けられる。淀川以北、淀川と大和側の間、大和川以南の3つの地域から構成されていて、大和川以南の地域は南河内と泉州という二大DQN地域なのである。泉州の代表が清原和博だとしたら、南河内の代表はダルビッシュ兄弟である。どちらも野球界を代表する問題児である。ダルビッシュ有は入団したばかりの沖縄キャンプの時にパチンコ屋で喫煙していたところを写真週刊誌に撮られている。清原は言わずと知れたホームランを打つ代わりに覚せい剤を打ってしまった男である。
そんな南河内出身のオレにとって、神戸はカッコよくてあこがれの街だし、京都は歴史と伝統文化の街である。大学生の4年間、オレは旅先で出身地を訊かれるといつも「京都」とごまかしていた。確かに京都に住んでいたが、オレの出身地は南河内である。オレは卑怯にも産地偽装していたのだ。
東京都民から見た埼玉県人はそんなに田舎者なのだろうか。埼玉県人の80%は池袋に集結してるのだろうか。千葉や茨城は東京からどんなふうに見えてるのだろうか。そして埼玉よりももっと田舎の群馬とか栃木はどんな世界なのだろうか。それをこの「翔んで埼玉」という映画は極端にデフォルメして描いているのである。もう最高の面白さである。
山の手に住む東京都民が、それ以外の地域を見下しているということ、そして同じ都民の中でも微妙な序列意識があり、都区内に住む者は八王子や田無を見下していること。都民のそうした序列意識が自分たちの下に埼玉県人という被差別階級を作ったことなどをこの映画は明確に示してくれていて面白いのである。
そうして笑いものにされたことで埼玉県人がこの映画に対して怒ってるだろうか。否である。むしろここまで極端に書かれると怒るどころか笑ってしまうのである。そして最後には埼玉への郷土愛ということに帰結するのである。オレはどんなふうにこのお話をまとめるのかと思ってハラハラしながら観ていたのだが、見事に落ち着いたのである。
おバカ映画は楽しい。すぐれたおバカ映画は見ている人を幸福にする。何も考えずにゲラゲラ笑えるのは最高である。そこに挿入された小ネタの一つ一つが笑いのツボにヒットするからもう最高である。
このようなすぐれたおバカ映画がもっと評価されてほしい。オレが最高のおバカ映画だと信じている「鴨川ホルモー」も、一人でも多くの方に観てもらいたいのである。
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