2018年12月28日(金) |
幼児教育の無償化に思うこと |
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安倍晋三が幼児教育、高等教育の無償化という方針を打ち出した。消費税値上げで反発する国民を宥めるためのごまかしであることはすぐにわかるのだが、その中味について考えてみたい。そもそもどんなふうに無償化するのだろうか。
たとえば大阪府にある私立高校は年収が一定の基準以下の場合無償になる。授業料に相当する分が子弟を通わせている各家庭に補償されるのである。ゼニを学校に直接渡すわけではない。
幼稚園や保育所を経営してる法人事業者の中には政治家との利害関係者であったり、そもそも議員の実家がそういう家であることも多い。オレの住む松原市もそうで、松原市選出の国会議員である浦野靖人は聖和大学の教育学部で保育士の資格を取得して実家のやってる保育園で働いていた。
待機児童を解消するためには保育所をじゃんじゃん作ればいいのだが、そのようにしなかった理由は「既存の幼稚園保育所の利権を守る」という目的である。これは地方の医師不足を解消しようとしても医学部の定員を医師会の反対で増やせなかったことと似ている。
幼児教育の無償化のために投入された税金は、そこで働く人たちのところに還元されることはなく、経営者の高級車や高額報酬に化けるだけである。もちろん保護者の負担は軽くなって、それ自体はいいことなのだがそれだけで決して終わらないのである。自民党が打ち出す政策というのは基本的にクソみたいなものが多いのだが、この政策もおそらくは自分達の身内のために行ってるのに決まってるのである。
オレは自分の息子二人を私立の3年保育の幼稚園に通わせた。近所まで送迎バスが来ていて、いい先生も恵まれて息子たちは本当に幼稚園が楽しかったようだった。運動会を見に行った時はオレよりもはるかに若いまわりの保護者たちに混じって走ったりした。公立の幼稚園よりもきっとすごく中味が充実していたのだろうと思う。そこで提供されるごはんもおいしかったと息子は語っている。きっと家でおかあさんが作る料理よりもずっとおいしかったのだろう。ひじきごはんを何杯もおかわりしたらしい。たまたまオレの公立高校勤務時代の教え子が担任だったこともあってとても恵まれていた。
どちらも無償ならば、中味の充実した私立の方がいいに決まっている。これは公立高校がどんどんつぶれている大阪府で実際に起きている現象である。これと同じことが幼児教育の世界で起きるのである。
サービスの悪い公立の幼稚園・保育所がつぶれることになれば、保育士の労働環境は悪化するだろう。公立の幼稚園や保育所では保育士や幼稚園教諭は正規雇用の公務員だったわけだが、私立ならそこは非正規雇用でまかなわれることが普通だし、一定の期間働いたら肩たたきがあって、若い後進に職場を譲らないといけなくなる。この無償化がそこで働く人たちにとっては何も良い変化をもたらすことはないのである。
教育を無償化することはいいことだと思う。しかしその目的が政治家の利権のためではなくて、そこに通う子どもやそこで働く人たちのためになることであることをオレは願っているのである。どうせ加計学園のようなお友達に巨額の税金をあげて、それを安倍晋三が自分のフトコロに還流させる仕組み作りだとオレは疑ってるのだが。
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