2018年11月27日(火) |
学歴詐称はどんな罪か? |
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学歴詐称といえば、入学してもいない大学を卒業したと偽るパターンが一般的だ。政治家の中には海外留学とか海外の大学卒業と称する連中が多いが、その中身はただの聴講生だったり実体のないものだったりするのである。安倍晋三などがこのパターンである。しかし、逆パターンの学歴詐称もある。それは「行ったけど行ってないことにする」というものだ。なぜそんなことをするのかというと、公務員の中には大卒では受験してはならないものがあるからである。
神戸市は、最終学歴が中卒高卒に限定されていた事務職員に応募して採用され、そのまま40年近く勤務していた男性を懲戒免職処分にした。大卒のところを受験するとハードルが高いが、高卒中卒の募集のところなら合格しやすいということなのである。それでこの男性は合格しやすいところで採用され、そのまま神戸市の職員として40年をきちっと勤め上げたのである。さて、学歴詐称は懲戒免職となるほどの罪だろうかというのがオレの疑問なのだ。これが出てもいない大学を「卒業した」というのなら困るが、卒業したというのをなかったことにしたいというのはなんか同情したくなるのである。
オレは大学の4年間ほとんど遊んでいたわけで、オレのような不真面目な人間が「京都大学卒」を語るのは実におこがましいことであり、オレは京大の卒業生の中でもかなりダメなやつのほうだと自認している。そんな同窓生の面汚しのようなオレでも、大学の部活動のOB会には参加するし、オレにとって出身大学を隠してひっそりと生きるなんてことは無理であり、隠そうとしても必ずバレる。
その神戸市職員の男性が大学卒であることはどうして誰も指摘しなかったのだろうか。同じ大学の友人との交流は一切なかったのだろうか。同じ部局内で一度も怪しまれなかったのだろうか。そのあたりがとても不思議なのだ。
学歴詐称を問題にするのなら、基本的に「行ってない大学を卒業したことにする」方だけを問題にすべきである。公務員を目指す場合、大学を出ていれば受験できないという逆学歴差別はなくすべきだとオレは思うのだ。もちろんそうすれば高卒の人が不利になるわけだが、そもそも高校の偏差値が学習内容は千差万別であり、東大や京大にたくさん合格する高校もあれば、小学校のカリキュラムをやり直して分数や小数から教えてる高校もあるわけで、それらをすべて「高校卒」としてしまうほうが無理があるのだ。灘高校の卒業者なら、Fランク私大の卒業者よりも絶対に優秀なはずである。そうなると「高卒」「大卒」という分類がそもそも意味をなさないのである。
この学歴詐称の男性、神戸市からどんな罰を受けるのだろうか。これまでもらった給与をすべて返上しろとか、退職金を返せと言われてるのだろうか。なんだか気の毒に思ってしまうのである。もしもその詐称の理由が「こんな無名の大学なら恥ずかしいので4年間をなかったことにしたかったのです」という個人的な慚愧から発生したことだったのならば、オレは少し同情してしまうのである。
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