2018年11月20日(火) |
カルロス・ゴーンと稲盛和夫 |
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負債2兆円で倒産寸前だった日産の経営を立て直したカルロス・ゴーンはコストカッターと呼ばれ、多くの下請け企業をぶっつぶしてその犠牲の上に日産自動車を再建した。一方経営の神様と称される京セラの稲森和夫会長は、無給で日本航空の再生にあたり、見事に再上場を果たした。この二人は企業再生という観点から西洋型と日本型のそれぞれの代表として比較される。
日産自動車の再生は、売れる車を増やして業績をUPすることで回復するのではなく、工場を閉鎖してリストラし、下請けをいじめることによって達成されたというのは誰もが知ることである。そうして業績回復してもうかったゼニからカルロス・ゴーンは巨額の役員報酬を手にした。しかし、金持ちの欲望には限りがない。そのゼニでも飽き足らずにゴーンはさらに高額の報酬を求めたのである。オレにはそのあたりの金額になるともう造像がつかないのだが、そんなにゼニを手に入れていったい何がしたかったのだろうか。世界中の美女と戯れたかったのだろうか。世界の高級車を手に入れたかったのだろうか。そんなもの、自前で作ればいいじゃないか。日産GT−Rを世界一のスポーツカーに作り上げればそれは達成できるじゃないか。
稲森和夫氏が無給で日本航空の再生に取り組んだことと比べれば、このミスタービーンそっくりの守銭奴のオッサンのやってることはあまりにもせこいのである。
今、日産のクルマの中にオレの欲しい車はない。GT−Rもいらない。オレが欲しいのはそんなクルマじゃない。オレは大学を出たばかりのまだ薄給だった頃に、パルサーEXAという排気量わずか1500ccの2ドアクーペを買った。車両重量はわずか830kgである。これはオレが今愛用しているS660よりも軽いのである。軽量ボディのおかげで燃費もよく、旅行するときもかなり助かった。トランクルームも広く、後部座席をたたんで自転車などを収納することもできた。本当に便利なクルマだったのである。
今、日産にはそんなクルマはない。多くのクルマ好きに愛されたスカイラインは、今はいちおうその車名は残ってるが、不人気車の代表のようになってしまったのである。なんて不格好なダサい車になってしまったのだろうかとオレは実車を目撃して悲しかった。
日産自動車株の配当利回りは5%を超える。どうしてこんな高配当なのかというと、配当金が親会社のルノーへの上納金みたいなものだからである。大株主であるルノーに日産の利益のほとんどは吸い上げられていき、新車の開発や研究に回るゼニは削られてしまっているのである。そんな未来の展望のない情けない会社に日産は没落してしまったのだ。
今回のゴーン追放という動きはもしかしたら日産を日本人の手に取り戻そうというクーデターなんだろうか。オレは少しそれを期待している。
日産自動車という歴史あるメーカーを日本人の手に取り戻し、真に魅力的なクルマを作ってくれることをオレはひそかに願っている。これからの再生を西川社長はどう考えてるのだろうか。
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