2018年09月01日(土) |
「夢の国」は実はパワハラ地獄だった・・・ |
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ディズニーランドで着ぐるみの中に入る仕事は大変な重労働であるとオレは思っている。そこで働く方々にはどうか適正な賃金が支払われるようにとオレは願っている。時給5000円くらいもらえて、ほんの少し交代制で働けばそれで十分という環境であって欲しいし、働く人が満足できるようになって欲しいのである。低賃金重労働の世界で「好きなところで働けるのだから我慢しろよ」であって欲しくはないのである。
ところが現実は「夢の国」とはほど遠いものであった。着ぐるみ要員には過酷な労働が強制され、その厳しさを訴えても改善されず、体をこわしてもなかなか労災が適用されないというひどいブラック職場だったのである。
オレは書店に並ぶディズニー関連書籍の中で、ディズニーランドのキャスト(従業員)がいかにすばらしい仕事であるかをアピールしている本を読んだことがある。おそらくそれを読んで夢を見つけて就職してくる人もいるだろう。しかし実際はそこで働く人を使い捨てにするひどい職場だったのだ。
オレが一番腹が立つのは「若者のやる気」を搾取する大人たちである。保育所で低賃金長時間労働させたり、ペットショップで低賃金で働かせたりする経営者側は「だって、好きな仕事だろ」という感覚で、若者をそこで使い捨てにすることに対して何の罪の意識もない。いくら好きな仕事であっても、それだけで一生続けることは出来ない。昔、橋下徹が大阪府知事になったときも、大阪府の教員の給与を全国最低水準にしておいて「こうすれば本当にやる気のある人が来るんですよ」と言ったとか。結果的に教員採用試験の競争率は低迷し、まともな人材が確保できなくなったのである。
朝日新聞の記事から引用しよう。
「憧れの仕事なので、ずっと我慢してきました。でも耐えきれません」。7月19日に千葉地裁に提訴した原告の契約社員の女性(38)は、そう打ち明けた。
5年以上にわたり、上司からパワーハラスメントを受けていたと主張。安全に働ける職場環境をつくる義務を会社が果たしていないとして裁判に踏み切った。パワハラの背景に、過酷な労働環境によるゆとりの欠如があると訴えている。
訴状などによると、きっかけは2013年1月ごろ。着ぐるみのキャラクターに扮し、客にあいさつをして回る「グリーティング」業務の最中に、男性客に右手の薬指を無理やり曲げられ、けがをしたことだった。
労災申請をしようとすると、上司に「それくらい我慢しなきゃ」「君は心が弱い」と返された。役の変更を申し入れたが、「わがままには対応できない」と取り合ってもらえなかったという。ぜんそくの症状が出るとして楽屋の環境改善を相談したときにも、「病気なのか、それなら死んじまえ」「30歳以上のババァはいらねーんだよ」と突き放されたとしている。
女性は1回約30分のショーに1日5回ほど出演し、半屋外のステージから楽屋に帰ってくるたびに水を飲む手が震えるほどの疲労を感じたという。夏は酸素不足のサウナで踊り続けるような息苦しさだと訴える。
人員が少ないため、けがをしたり、体調を崩したりしても、容易に休みにくい雰囲気があると女性は思っている。「無理なく働ける環境がパワハラを無くすためにも必要だと思います」
もう一人の原告である契約社員の女性(29)の訴えは、着ぐるみでの過重労働を続けた結果、日常生活に支障をきたす疾患になったのに、会社が責任を認めず、業務を改善していないというものだ。
訴状などによると、女性は15年2月に入社後、総重量10〜30キロの着ぐるみを身につけ、屋外のパレードやショーに出演。16年11月ごろから左腕が重く感じ、手の震えが止まらなくなったが、休みを取りにくく、16年11〜12月のパレードの出演回数は計50回に上った。
17年1月に症状が悪化し、腕をあげると激痛が走り、手の感覚がなくなったという。病院で診察を受け、神経や血流の障害で痛みが出る「胸郭出口症候群」と診断された。17年8月には労災認定を受けた。
女性は今、休職中で復職を希望し、「会社側には業務の質や量を見直してもらいたい。このままでは同じような症状に苦しむ人が出るかもしれない」と話す。
運営企業のオリエンタルランド広報部は「訴状が届き次第、内容を確認し、対応していく」と回答。着ぐるみで働く人たちの労働環境については「ブランド管理とも関係するので回答は差し控えるが、出演者のケアはしっかりやっている」と説明している。
真に働く者の権利を守り、生活や健康を補償してくれるのはどんな職場か。すべて経営者の志にかかっている。志が高く、従業員を家族のように大切にしてくれる会社ならこんなひどいことにはならなかっただろう。しかし今は多くの企業が「金儲け至上主義」の毒に侵されていて、そこで志の高い経営者は「利益を出せない」「思い切ったリストラができない」と逆に批判を受けてしまうのである。
いつから日本の企業はこんなにダメになってしまったのか。それは企業の頂点に立っている連中がクズだからである。かつて経団連のトップだった御手洗とかいう便所野郎は堂々と偽装請負をやっていた。それを指摘されたときに「ルールが間違ってる」と文句を付けたという。どこまで傲慢なんだクソ野郎。おまえらのようなカスが日本をダメにしたのだと言うことがわからんのか。
ディズニーランドには多くの外国人観光客もやってくる。また、そこで働きたいという人もたくさんやってくるだろう。どうかその労働環境が「やる気の搾取」でないことをオレは願うのである。労働者を大切に出来ない社会に未来はないとオレは思うのだ。
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