2018年08月04日(土) |
吉村市長、教育にゼニをかけろ! |
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大阪市が政令指定都市の中で学力テスト最下位だったことに吉村市長が激怒したという。まあ、自分の市が「全国最下位」だったとしてオレが市長なら「ホンマにすんまへん、これも市長のぼくがアホやからですわ」と笑って謝るところだが、吉村市長はこともあろうに「私自身は非常に危機感を感じています」「万年最下位でいいと思うなよ」と答えたという。大阪市の教育の現状を知っていれば、他のまともな市に勝てるわけがないということを彼は認識していなかったのだろうか。
大阪の教育環境を貧困にしたのは何か。それは公立学校を凋落させたことである。どうして公教育はダメになったのか。それはゼニをケチったからである。教育現場に大量の非正規雇用者を投入し、劣悪な待遇で働かせた。また非正規雇用者の増加によって正規雇用である「教諭」の方々の労働環境も悪化した。オレはもう何十年も前から警鐘を鳴らしてきたが、そんなことはちっとも伝わらなかったのである。もしもオレに巨額の予算の裁量権を与えてくれて、大阪市の教育長にしてくれるならばすぐに学力テストの結果を改善することができるだろう。ただ大阪市がオレの希望する報酬をくれるとは思えないし、きっと吉村市長は「こんな結果になったのは現場の教員が悪い」と思っているはずだからそもそも事の本質を根本的にわかってないのである。
橋下氏は貧困家庭の子が塾に通えないのを解消するために「教育バウチャー制」なるプランを考えた。それが実行されたのかどうかはよく知らないが、その時にオレは思ったのである。「そんなゼニがあるなら落ちこぼれた子を救おうと奮闘している先生にみんな報酬として配れよ」と。塾任せにすることはさらに現場を軽視するということだということに橋下氏は気づかず、ただ単に「貧乏な子も塾に行けば学力はつく」と思っていたからである。大阪府下の公立高校の学区制度をぶっ壊して北野高校を頂点とするピラミッド体制を作り上げた結果、公立高校全体としての入試成績は劇的に悪くなったという事実を突き付けられたら彼はなんと答えるのだろうか。
優秀な高校生を北野高校一校に集めるのではなくて、適度にばらまくことによってその生徒が周囲に良い影響を与えて集団全体としての成果が出るということを橋下氏はわかっていなかった。実際にオレの母校である生野高校の凋落ぶりは甚だしいのだが、これも学区制度改変の結果である。生野高校はかつては河合宿の全統模試で日本一になった秀才がいたのである。今の生野高校に現役で東大京大を狙えるような優秀な生徒はきわめて稀である。公立高校を結果的に一強多弱にしてしまったというのが橋下改革だった。
吉村市長がどんな改革案を打ち出して大阪市の教育を改善しようとするのか。オレはその成り行きを見守っている。もしも彼が身分を隠して大阪市の小中学校をお忍びで参観してその問題点を洗い出そうとしたらそれは「本気」だ。きっと成功するだろう。
しかし命令するだけであとの方策を人任せにするならば、きっと現場の人間は「馬鹿を受験させない」などの卑怯な方法で結果を糊塗しようとするだろう。オレは後者になることを予想しているのである。
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