2018年04月26日(木) |
ああ近鉄南大阪線 |
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近鉄南大阪線というのは南河内地方の大動脈である。松原市、藤井寺市、羽曳野市、富田林市などを通過する重要な路線であり、もしもその線が止まったら大変なことになるのだ。1982年の8.1豪雨と呼ばれる大水害の時は松原市の半分くらいが水没したが、そのときも止まらなかったのだ。大和川の水位が危険水位になっても、近鉄南大阪線の大和川橋梁は電車を通過させていたのである。
しかし、大正12年に掛けられたこの橋は見た目も貧弱でちゃちである。オレはその横をよくクルマで通過してるからわかるが、もうとっくに耐用年限を過ぎてるはずだ。大和川が増水すればひとたまりもなく流されてしまいそうに思えるのである。
その大和川橋梁が昨年の台風で被害を受けた。一時は大和川が決壊するかと思われたあの豪雨の時である。そのときに川底が削られて橋桁が沈下したために補修工事が行われていたのである。たまたま補修工事中で、それぞれの橋桁には傾きを検知するセンサーがつけられていた。そのセンサーが異常を告げたがしばらく電車は橋を通過していた。乗客や車掌は揺れが激しいことに気付いていたという。このままでは危険である。数本が通過してから近鉄は運転中止を決めたのである。
平日のことである。近鉄南大阪線が止まって帰れなくなった乗客は、いくつかの迂回ルートに殺到した。JR阪和線、地下鉄御堂筋線、地下鉄谷町線、JR大和路線などである。JR大和路線の柏原駅から、近鉄南大阪線の道明寺駅までは近鉄道明寺線という単線のローカル線がある。その線がメインの代替ルートになったのだからたまらない。確か道明寺線は2両くらいしかなかったはずである。本数も少なくてさばききれるはずもないし、単線ではたいして増発もできない。他にもバスでの振り替えやさまざまな手段で通勤通学の人たちは家路を急いだ。帰宅するのに何時間も余分にかかった人もいたはずである。
これだけの大きな交通トラブルなのに、新聞の報道は小さく、朝のテレビでもほとんど取り上げられていないのである。それはなぜか。近鉄南大阪線なんかどうでもいいのである。関西人にとっても近鉄南大阪線なんか全く意識したこともない。阪急や阪神、京阪には乗ることがあっても、近鉄南大阪線など一生の間にたぶん一度も乗らないのが普通だと思う。わざわざ大和川を渡って南河内地方に行く用事なんか普通はないのである。これは首都圏の方が東武東上線に乗る機会がないことと同じである。首都圏の方々にとっては、近鉄南大阪線なんてあの猫のたま駅長で有名になった和歌山電鉄よりも知られてないのである。
世間のみんなの関心はTOKIOの山口達也である。どうして女子高生にキスしたのか、なんで訴えられたのかということの方が関心事なのである。そんなことオレに取っては全くどうでもいいことなのだが、きっと世間はそうではないのである。
近鉄南大阪線の沿線にあるオレの母校、大阪府立生野高校では今日の授業はどうなるのだろうか。多くの生徒がその影響を受けているはずである。また南河内地方から大和川を越えて通学してる多くの生徒たちもまた大変な目に遭ってるはずである。
どうか一日も早く復旧してもらいたいのである。今現場で作業にあたっておられる工事関係者の方々には深く御礼申し上げたい。
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